日本での累計出荷台数が1億台に達したアンカー・ジャパンは、2026年6月15日に開催した「Anker Power Conference 2026」でブランド再編と新しいロゴマークを発表した。同社代表取締役CEOの猿渡歩氏は、モバイルバッテリー市場が発火事故や航空規制の強化で揺れる中、新たな安全戦略を打ち出した。
増加する事故とメーカーの責任
猿渡氏は「車のボンネットに置いたり、燃えるゴミに出したりする。熱や衝撃で燃えます。幅広いお客様に普及したからこそ扱い方が様々で、事故につながるケースが増えている」と指摘。極端な使い方をする人はいないにしても、日常の扱いの中で起きる事故をメーカーとしてどう防ぐかが課題だと述べ、新セルの開発もその延長線上にあると説明した。
新セルとBMSで安全性向上
同社が開発した「アンカーネオリチウムイオンバッテリー」は、多くの安全性テストをクリアするよう設計。バッテリーが高温になったり異常が発生すると即座に検知するバッテリーマネジメントシステム(BMS)を搭載し、さらに発火しても鎮火しやすい難燃性素材を採用するなど、徹底した安全対策を施している。
啓発活動と廃棄対策
正しい廃棄方法を伝える啓発活動も強化。2026年2月には、リチウムイオン電池の危険性と正しい廃棄方法を伝えるキャラクター「リイオンくん」を発表した。名称はリチウムイオン電池の英語表記「Li-ion」と炎をまとったライオン、語呂合わせの「144」を組み合わせた商標登録キャラクターで、啓発目的に限り画像データを無償提供する。
全国の直営店「Anker Store」には使用済みの自社製モバイルバッテリーの回収ボックスを順次設置し、破損・故障品も下取りで受け付ける。猿渡氏は「ゴミ収集車が燃える事故も起きている。リーディングカンパニーとして少しでも解決したい」と語る。経済産業省や環境省とも連携し、自治体に啓発ポスターの掲出を働きかけている。また、リサイクル素材を使ったケーブルにこだわるなど、細部にまで廃棄への意識が及んでいる。
災害時の取り組み
同社は災害時にも対応。モバイルバッテリーは防災用品として需要が高まる一方、適切な保管や使用が求められる。アンカーは製品の安全性を高めるとともに、ユーザー教育にも注力することで、市場の信頼回復を目指す。



