モバイルバッテリー市場、発火事故と航空規制で変革迫られる中、アンカーが新ロゴと戦略を発表
発火事故と航空規制で揺れるモバイルバッテリー市場、アンカーが新戦略

日本での累計出荷台数が1億台に達したタイミングで、アンカー・ジャパンは「Anker Power Conference 2026」を開催し、ブランド再編と新しいロゴマークを発表した。代表取締役CEOの猿渡歩氏は、進化と力強さを表現した新デザインのロゴを披露するとともに、新たなコーポレートミッション「Innovation Faster.(イノベーション・ファスター)」を掲げた。これは、真に求められる革新的な製品を、どこよりも速く、圧倒的な完成度で届けるという宣言である。

バッテリー事業の拡大:ポータブル電源と住宅用蓄電池

アンカーのバッテリー関連事業では、モバイルバッテリーに加えて、大型のポータブル電源と住宅用蓄電池が今後の成長エンジンとして注目されている。猿渡氏は「2030年から戸建てには太陽光発電の設置が義務化され、補助金も出ています。エネルギー価格が上昇する中、モバイル充電での認知度を活かし、『家全体もやりましょう』という形で昨年の売上は前年比で数倍以上伸びています」と説明する。

すでに中国では巨大な市場が立ち上がっているが、日本でも無印良品の「無印良品の家」への採用や、個人経営の病院、二世帯住宅などへの導入が拡大している。今後、大規模マンションなどに採用されれば、数千万〜数億円の専用システム導入が見込まれる。戸建てに関しては、現在工務店と協業して進めており、本格的な営業活動はまだ行っていないが、引き合いがあれば対応したいと述べた。

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ポータブル電源も人気で、「3年前のモデルはレンタル待ちが出るほど人気があった」という。今回、最新製品「Anker Solix S2000」(2000Wh)を発表し、大きな注目を集めている。

ワイヤレスイヤホン分野での技術革新

バッテリーに次ぐ主力製品は、Soundcore Libertyシリーズを中心としたワイヤレスイヤホンだ。新発表のSoundcore Liberty 5 Proシリーズでは、専用のAIチップを独自開発し、演算処理性能を従来比約150倍に向上。通話ノイズリダクション性能でギネス世界記録に認定されるなど、バッテリー以外の技術開発力も強化している。

昨今の円安やAI企業による半導体・メモリーの買い占めによる価格高騰の影響について、猿渡氏は「バッテリーに関しては、ほぼ影響を受けずにカバーできる。現状はそれほど値上げしなくても大丈夫」と語り、主力事業の底堅さを示した。

新ロゴ採用第一弾製品は難燃性トラベルポーチ

「A」の文字から横棒を除いた新しいロゴを採用した第一弾製品は、トラベルポーチだった。これは、中に入れたモバイルバッテリーが万が一発火しても被害を最小化できる難燃性素材で作られている。発火事故や航空規制の厳格化が進む中、安全面に配慮した製品開発が進んでいる。

次ページでは、プロスポーツ分野への参入など、さらなる事業拡大について詳しく報じる。

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