日本での累計出荷台数1億台を達成したアンカー・ジャパンは、Anker Power Conference 2026でブランド再編と新しいロゴマークを発表した。代表取締役CEOの猿渡歩氏は、発火事故や航空規制で揺れるモバイルバッテリー市場において、安全と革新を両立する新たな一手を打ち出している。
釘刺しテストを突破する新技術
アンカーが開発した「ネオリチウムイオンバッテリー」技術は、釘で刺しても発火しないという過酷なテストをクリア。これは、バッテリーの本質的な安全性を追求した結果であり、他社が容易に追随できないアドバンテージとなっている。最初の製品として「Anker Nano Power(MagGo, Plus)」シリーズが登場。ケーブルとマグネット充電の両方に対応し、iPhone 17シリーズを約2回充電できる10000mAhの大容量ながら、約15mmの薄型設計と1万1990円の手頃な価格を実現した。
災害時の電源確保へ、通信事業者との協調
アンカーの取り組みは製品安全にとどまらない。5月、アンカー・ジャパンは通信事業者4社と他のモバイルバッテリーメーカー7社とともに、大規模災害時の被災地への電源確保に関する連携協定を締結した。これは、普段は競合する通信事業者が「競争ではなく協調」で取り組む「つなぐ×かえるプロジェクト」に、バッテリーメーカー8社が加わる枠組みで、6月1日から運用が開始された。
災害発生時、通信事業者は現地の連絡役「リエゾン」として自治体に入り、避難所の需要を把握。バッテリーメーカーは電源機材を調達し、通信事業者が準備した前進拠点まで配送。通信事業者が復旧・避難所支援で現地に向かう際、その拠点からバッテリーを避難所へ届ける。これまで各メーカーが個別に被災地へ連絡し、配送先が不明だったり、被災地側も受け入れ方がわからないなどの混乱があったが、拠点の一元管理と事前のルート確保で解消する。
アンカーは2016年の熊本地震でポータブル電源100台、2024年の能登半島沖地震ではポータブル電源など合計1,800個以上を提供。全国12の地方自治体と防災協定を結び、ポータブル電源を配備してきた実績がある。
ブランド戦略の転換
新ロゴマークへの変更やブランド再編は、さらなる成長を見据えた戦略の一環。安全技術と社会貢献の両輪で、モバイルバッテリー市場のトップランナーとしての地位を固める狙いだ。



