三菱UFJ銀行など3メガバンクが、今年度中に「ステーブルコイン」と呼ばれるデジタル通貨を共同で発行する計画を発表しました。値動きが激しく投機の対象となっているビットコインのような暗号資産を、決済や送金にも使えるようにするために生まれたのがステーブルコインです。普及すれば、私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか。
ステーブルコインとは?
ステーブルコインは、取引記録を参加者全員で分散して持つブロックチェーン技術で管理されており、データの改ざんや消去がされにくい特徴があります。「1コイン=1円」などと設計され、価格が安定しているため使いやすいとされています。
発行する際には、ユーザーに現金を払い戻す場合に備えて、同等の価値がある資産を別に管理・保管することが義務付けられています。不測の事態が起きても安心感があるとされています。
国内外の動き
米国では昨年7月にステーブルコインを規制する法律が成立し、世界的に関心が高まりました。日本でも昨年10月に初の円建てステーブルコイン「JPYC」の発行が始まっています。
3メガバンクの発行が実現すれば、ステーブルコインは日本でも一気に身近なものになると期待されます。野村証券や大和証券も加わり、株や投資信託の売買に活用する計画も進められています。
ローソンでは今月、東京都内の一部店舗でJPYCによる決済の実証実験を実施しました。他のスマートフォン決済と同じ感覚で、ステーブルコインを使って買い物できるようになるかもしれません。
企業や国際的な影響
国際的にビジネスを展開する企業にとっても便利です。特に海外に送金する場合、通常は間に複数の銀行が入りますが、ステーブルコインなら直接送金できるため、コストや時間を削減できます。
現在あるステーブルコインの大半はドル建てで、米国では日常的な決済手段として広がりつつあります。発行が盛んになるほど、裏付け資産としてドルや米国債の需要が高まります。トランプ米政権がステーブルコインの活用に積極的なのは、これによってドルの信認を高めたいという思惑もあるようです。
日本政府もステーブルコインの活用に前向きで、高市早苗政権が7月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」にも盛り込まれました。3メガバンクの共同発行も金融庁が支援しています。過度な円安を是正するためにも、円や日本国債の裏付けを必要とする円建てステーブルコインの普及には期待が寄せられています。



