電気自動車(EV)への移行が世界的に加速している。これに伴い、自動車の部品構成は従来のエンジン車から大きく様変わりしようとしている。エンジンやトランスミッション、燃料タンクなど、長年にわたり自動車の心臓部とされてきた部品が不要になり、代わりにバッテリーやモーター、インバーターなど、全く新しい部品が求められるようになる。
消える部品:エンジン関連が中心
EV化で最も影響を受けるのは、エンジンとその周辺部品だ。エンジン本体はもちろん、吸排気系の部品、燃料噴射装置、点火プラグ、マフラーなど、エンジン車に不可欠だった多くの部品が不要になる。また、エンジンの動力を伝えるトランスミッションやドライブシャフトなども、EVではモーターから直接車輪に動力が伝わるため、その多くが姿を消す。
残る部品:シャシーや内装は継承
一方で、車体の骨格となるシャシーやボディ、サスペンション、ブレーキ、ステアリングなどのシャシー部品は、EVでも基本的な構造は変わらない。また、シートやダッシュボード、エアコンなどの内装部品も、その多くが継承される。ただし、EVではバッテリーを床下に搭載するため、車体の剛性や衝突安全性の設計が見直される可能性はある。
新たに生まれる部品:電動化の中核
EV化によって新たに生まれる部品の中心は、バッテリー、モーター、インバーターの「三種の神器」と呼ばれるものだ。バッテリーはEVの航続距離を決める最重要部品であり、モーターはエンジンに代わる動力源、インバーターはバッテリーの直流を交流に変換してモーターを制御する。これらの部品は、従来の自動車部品メーカーだけでなく、電機メーカーや化学メーカーなど、異業種からの参入も相次いでいる。
サプライチェーンの変革
部品構成の変化は、サプライチェーン全体に大きな影響を与える。エンジン関連部品を主力としてきたサプライヤーは、事業の転換を迫られる。一方で、バッテリーやモーターなどの新たな部品では、材料調達から製造まで、これまでとは異なるサプライチェーンが構築されつつある。特にバッテリーに使われるリチウムやコバルトなどのレアメタルは、資源の確保が競争の鍵となる。
EVシフトは、自動車産業にとって100年に一度の変革期と言われる。部品メーカー各社は、生き残りをかけて、技術開発や事業構造の転換を急いでいる。



