東南アジアの電気自動車(EV)市場が急速に拡大している。2023年の新車販売に占めるEVの割合は約2%とまだ低いものの、販売台数は前年比で約3倍に増加。特に中国メーカーの進出が顕著で、市場シェアの約7割を占めるに至っている。
中国勢が席巻する理由
中国メーカーが東南アジアで成功を収めている背景には、価格競争力と積極的な投資がある。例えば、比亜迪(BYD)はタイで2022年に販売を開始し、わずか1年で市場トップに躍り出た。同社はタイに生産工場を建設中で、2024年からの稼働を予定している。また、長城汽車や上海汽車(SAIC)もタイやインドネシアで販売を強化している。
政府の支援策
東南アジア各国政府もEV普及に積極的だ。タイ政府は2030年までに新車販売の30%をEVにする目標を掲げ、購入補助金や減税措置を導入。インドネシアも同様の政策を打ち出し、国内生産を促進している。これにより、中国メーカーは現地生産の優遇措置を受けやすくなっている。
日本勢の苦戦
一方、日本メーカーは東南アジアで苦戦を強いられている。トヨタやホンダはハイブリッド車(HV)に注力してきたが、EVシフトの流れに乗り遅れている。トヨタはタイでEV生産を計画しているが、本格的な量産は2025年以降と見られる。日本勢のシェアは中国勢に大きく水をあけられ、巻き返しが急務となっている。
今後の展望
東南アジアのEV市場は今後も成長が見込まれる。国際エネルギー機関(IEA)の予測では、2030年までに東南アジアのEV販売台数は年間100万台を超える。中国メーカーは生産拠点の拡大を進め、日本勢や韓国勢との競争が激化すると予想される。日本メーカーが存在感を取り戻すには、EVのラインアップ拡充と価格競争力の向上が不可欠だ。



