東南アジアで電気自動車(EV)を活用したシェアリングサービスが急速に拡大している。シンガポールやインドネシアを中心に、スタートアップ企業が次々と参入し、市場は活況を呈している。これに対し、日本企業の参入はまだ限定的で、今後の戦略が問われている。
シンガポールのEVシェアリング市場
シンガポールでは、ブルーSG(BlueSG)が2017年からEVカーシェアリングサービスを開始。現在、約2000台のEVを展開し、利用者はスマートフォンアプリで車両を予約・利用できる。同社は政府の支援を受け、充電インフラも整備している。利用料金は1分あたり0.33シンガポールドル(約27円)で、ガソリン車より割安とされる。
インドネシアの動き
インドネシアでは、地元スタートアップのモビー(Mobi)がEVバイクのシェアリングサービスを展開。ジャカルタを中心に約500台の電動バイクを配備し、通勤客のラストワンマイル需要を捉えている。料金は1時間あたり1万5000ルピア(約120円)と手頃で、利用者は急増中だ。同社は2025年までに車両数を2000台に増やす計画。
日本企業の現状
日本企業では、トヨタ自動車がタイでEVシェアリングの実証実験を行っているが、本格的な事業展開には至っていない。また、日産自動車はシンガポールで「日産EVカーシェアリング」を展開するが、規模は小さい。専門家は「日本企業は技術力はあるが、現地のニーズに合わせたサービス設計が不足している」と指摘する。
市場の課題と展望
東南アジアのEVシェアリング市場は、充電インフラの不足や車両価格の高さが課題だ。一方、政府のEV普及政策や環境意識の高まりが追い風となっている。ブルーSGのCEOは「今後3年で車両数を倍増させる」と述べ、市場の成長に自信を示す。日本企業にとっては、現地パートナーとの連携や、低価格帯のEV開発が参入の鍵となりそうだ。



