EVシフト加速、中国電池大手が欧州で生産拡大
EVシフト加速、中国電池大手が欧州生産拡大

電気自動車(EV)への移行が加速する中、中国の電池大手である寧徳時代新能源科技(CATL)と比亜迪(BYD)が欧州での生産拡大を本格化させている。両社は、欧州の主要自動車メーカーとの協業を強化し、地域内での供給網を確立することで、急増するEV需要に対応する方針だ。

CATL、ドイツ工場に続きハンガリーでも生産

CATLは、ドイツ・テューリンゲン州に建設した工場に続き、ハンガリー東部のデブレツェンに約73億ユーロ(約1兆円)を投じて新工場を建設中だ。同工場は2025年の稼働開始を予定しており、欧州の自動車メーカーであるメルセデス・ベンツやBMW、フォルクスワーゲンなどに電池を供給する。CATLは、欧州での年間生産能力を2030年までに200ギガワット時(GWh)に引き上げる計画で、これは約300万台分のEVに相当する。

BYD、ハンガリー工場で生産開始

一方、BYDもハンガリー南部のセゲドに工場を建設中で、2024年末には生産を開始する見通しだ。BYDは同工場で、自社ブランドのEVだけでなく、欧州の自動車メーカー向けに電池も供給する予定。さらに、BYDは欧州での販売網を拡大しており、2023年にはドイツ、フランス、オランダなどで乗用車の販売を開始した。

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欧州の自動車メーカーとの協業強化

欧州の自動車メーカーは、中国電池大手との協業を積極的に進めている。フォルクスワーゲンは、CATLとの合弁会社を設立し、ドイツ・ザルツギッターに工場を建設中。また、BMWはCATLから電池を調達する契約を結んでおり、メルセデス・ベンツもBYDと共同で電池の研究開発を行うなど、連携が加速している。

地政学的リスクとサプライチェーンの多様化

中国電池大手の欧州進出には、地政学的リスクへの対応という側面もある。米中対立の激化や欧州連合(EU)の中国依存脱却の動きを受け、両社は欧州内での生産を増やすことで、関税や規制のリスクを軽減しようとしている。また、欧州の自動車メーカーにとっても、サプライチェーンの多様化は重要な課題であり、中国企業との協業は一つの選択肢となっている。

しかし、欧州では電池のリサイクルや環境規制が厳しく、中国企業にとってはコスト増加要因となる可能性もある。また、欧州の電池メーカーであるノースボルトやACC(ステランティス、トタルエナジーズ、メルセデス・ベンツの合弁)との競争も激化している。

今後の展望

中国電池大手の欧州生産拡大は、EV市場の成長をさらに加速させると期待される。一方で、技術流出や雇用への影響などを懸念する声もあり、EUは中国企業の投資に対して慎重な姿勢を見せている。今後の動向が注目される。

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