熊本地震の被災地で、損害保険各社がデジタルツールや自社商品を活用し、保険金支払いを迅速化している。過去の大地震の教訓から、被害把握や支払いを早める仕組みが整ってきた。
震度7観測の氷川町で査定
今回の地震で震度7を観測した熊本県氷川町では、8月10日、被災した築10年の戸建てで地震保険の保険金支払いに向けた査定が行われた。建物は一部損傷にとどまったが、60インチの大型テレビが倒れて画面が割れるなど家財に被害があった。
住民の男性(47)が加入する東京海上日動火災保険の社員が、スマートフォンで写真を撮りながらチェック項目を端末に記録。地震直後の様子も、男性が撮影していた写真で確認した。
「地震アプリ」で即日認定
記録内容から自動で認定結果が出され、その日のうちに保険金支払額が決定。数週間後には支払われる見込みだ。男性は「これをきっかけに少しずつ前進しなければ」と話した。
社員が操作していたのは、業界共通ツールの「地震アプリ」。2015年に日本損害保険協会が開発するまで手作業だった。東日本大震災時は紙で管理やシステム入力に手間がかかっていたが、10年ほどで普及割合は大きく上がっている。



