猛暑による経済損失「年7.8兆円」 暑さを商機に変えた「空調服」「ダイキン」の戦略に迫る
猛暑の経済損失7.8兆円 暑さを商機に変える企業戦略

気象庁が4月17日に発表した「猛暑日」は、最高気温が40度以上の日を指す。2026年には8月3日時点で全国34地点に達し、2010年以降で最多となった。2025年は30地点で、8月上旬ですでに上回っている。

猛暑による経済損失は年7.8兆円

英国の医学誌『The Lancet』が世界保健機関(WHO)と共同でまとめた「Lancet Countdown」の2025年版によると、猛暑によって年間約6400万時間の労働時間が失われ、約1兆9000億ドルの経済損失に達した(2024年時点)。日本の数字はさらに具体的で、猛暑による所得損失は2024年に約494億2000万ドルに達した。1ドル=158円で換算すると約7兆8000億円となる。

失われた労働時間の推計は約14億2000万時間で、労働者1人当たりで換算すると年43時間になる。1990年代比でほぼ倍増しているという。

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将来予測もある。ドイツの保険会社Allianzが2026年5月に公表した分析では、2026~2030年で猛暑による日本のGDP損失額が累計3540億ドルとなり、主要国で最大となると予測している。これはフランスの2400億ドル、イタリアの1470億ドル、ドイツの1310億ドルを大きく上回る。

企業に広がる暑さ対策ビジネス

日本の企業も猛暑の悪影響を実感している。帝国データバンクが2026年7月に公表した調査によると、猛暑によって業務に支障が出ていると答えた企業は50.0%。業種別では建設業73.6%、鉱業・採石業66.7%、運送・郵便業54.7%だった。

暑い環境で普及が進んだのが「ファン付き作業着」だ。電動ファン付きウェア(EFウェア)の国内市場は、メーカー出荷金額ベースで2024年に約200億円を突破し、2025年には約300億円の大台に乗った。同市場の先駆けである「株式会社空調服」は、2025年12月期の売上高が約85億円で前期比7割増となり過去最高を記録した。

企業が労務リスクを下げるために投資する設備を背景に、法人向けの暑さ対策市場が拡大している。ワークウェアメーカーやアパレル企業などの参入も相次いでおり、市場がホットな状態だ。

ダイキンの「50度でも使えるエアコン」

ダイキン工業は、50度でも使えるエアコンをインドで展開し、シェア1位を獲得している。猛暑が常態化した日本や、常夏といわれる世界の国・地域で、どのようなビジネスチャンスを見いだしているのか。

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