GO「移動の再定義」で描く10年後、IPOで社会インフラへ
GOが描く10年後の社会、IPOで目指すインフラへ

6月16日、東京証券取引所グロース市場に上場したGO。日本初のタクシーアプリを生み出し、3500万ダウンロード、47都道府県で約5億回の移動を支えてきた同社は、IPOを機に新たなビジョン「日本を動かす、社会インフラへ。」を掲げる。代表取締役社長の中島宏氏に、その思いと今後の戦略を聞いた。

上場は透明性維持の選択

――上場のタイミングと理由は。

GOは公共性の高い企業として透明性を確保するため、早い段階から上場を意識してきた。2025年5月期に黒字化を達成したことで、申請に踏み切った。上場審査は想像以上に厳しく、透明性を証明するための不可欠なプロセスだったと感じている。

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タクシー文化と就業環境の向上

――これまでの取り組みをどう評価するか。

2020年9月の「GO」リリースから6年弱で、タクシー体験は劇的に変化した。キャッシュレス決済の普及や車内広告のデジタル化が進み、タクシーをアプリで呼ぶ文化が定着。全国47都道府県をカバーし、パートナー事業者は1500社以上。需給マッチングの効率化により、空車走行時間が減少し、乗務員の所得も向上。20代・30代の乗務員が増え、タクシー産業の若返りが実現した。

新ビジョンに込めた思い

――新ビジョン策定の理由は。

これまでのビジョンはタクシー体験の改善に焦点を当てていたが、利便性が当たり前になった今、上場を機に社会課題解決への推進力を生み出すため、ビジョンをアップデートした。歴史的に産業革命は「移動」「通信」「動力」の同時革新で起こった。現在もEV・自動運転、AI、再生可能エネルギーが同時に進化しており、GOはモビリティ起点で社会インフラを整備し、GDP向上に貢献する。

自動運転では「共生」を重視

――具体的な社会課題は。

脱炭素と労働力不足が喫緊の課題。EVタクシーや充電インフラ、エネルギーマネジメントに取り組む。労働力不足には自動運転の社会実装が必要だが、人の労働力を完全に代替するのではなく、自動運転タクシーとヒューマンドライバーの共生を目指す。日本独自の交通事情に合わせた役割分担が重要だ。

足元の取り組み

――現在注力している事業は。

2024年開始の相乗りサービス「GOエコノミー」は、過疎地域の自治体からも関心を集め、地方創生に貢献。ニセコや軽井沢などの観光地での交通課題対応、妊産婦支援、見守り機能との連携も進めている。日本版ライドシェアや公共ライドシェアの支援を通じて、交通空白の解消にも取り組む。

上場は第2ステージの通過点

――読者へのメッセージを。

上場はゴールではなく、第2のステージへの通過点。これまで以上に覚悟を持って、労働力不足やサステナビリティといった社会課題に挑む。タクシー産業やユーザーへの責任を果たしつつ、多様なステークホルダーとの共創を通じて、新ビジョンを実現していく。

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