電子投票の普及へ、成功例を重ねて選挙の公正さを確保したい
電子投票の普及へ、成功例を重ねて公正さ確保を

地方自治体の選挙で、投開票事務を効率化するための電子投票に再び注目が集まっている。普及に向けては、選挙の公正さを保ち、成功例を積み重ねていくことが欠かせない。

善通寺市と粕屋町で初導入

30日に投開票される香川県知事選では、善通寺市が初めて電子投票を導入する。福岡県粕屋町長選でも実施される。2市町では期日前投票も電子投票で行われた。

電子投票は、有権者が投票所に足を運び、タブレット端末の画面に表示された候補者名を選んで投票する。紙の投票用紙を原則使わないので、開票に必要な人員や時間を減らすことができる。

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外部からの侵入など、不正を防ぐため、通信ネットワークには接続しない。自宅から投票できるインターネット投票とは異なり、立会人の監視の下で実施される。

職員負担の軽減と公正さの両立

地方の自治体職員が減少する中で、職員の負担を軽減し、選挙の実施体制を維持していくことは重要だ。疑問票や無効票がなくなるというメリットも期待できる。

来春には統一地方選挙が行われる。今回の2市町で電子投票が円滑に行われれば、導入を検討する自治体も増えるだろう。

地方選での電子投票は、2002年に新法が施行されて可能になった。自治体が条例を制定すれば、知事選などの首長選や地方議員選挙で実施できる。

過去のトラブルと再注目の背景

法整備の直後には複数の自治体が電子投票を導入したが、03年の岐阜県可児市議選で機器トラブルが発生し、投票できなくなる事態が起きた。最高裁が05年、選挙無効の判断を下したことで導入の機運が一気に萎んだ経緯がある。

今回改めて実施を目指す動きが出ているのは、当時に比べ、多くの自治体で選挙時の要員確保が難しくなっていることが一因だ。

24年には全国で8年ぶりとなる電子投票が大阪府四條畷市長選などで行われたが、目立った混乱がなかった。各地の自治体の懸念も払拭されつつあるようだ。

公正さの徹底と今後の課題

電子投票を導入する自治体は、職員や立会人の研修を徹底し、選挙の公正さを保つことが不可欠だ。デジタル機器に不慣れな人が不安を感じることなく投票できるよう、模擬投票を行う体験会などを開催することも必要となる。

近年は、国政、地方を問わず投票率の低下が問題となっている。自治体は、投票にかかる時間が短縮できるといった電子投票のメリットを周知し、投票率の向上にもつなげてもらいたい。

地方選で定着すれば、国政選への導入も検討課題となろう。

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