政府は10日、新たな成長戦略を発表し、デジタル化の加速による経済活性化を目指す方針を明らかにした。岸田首相は閣議後の記者会見で、「ポストコロナの新たな成長モデルとして、デジタル技術の活用が不可欠だ」と強調した。
成長戦略の柱
今回の成長戦略では、主に3つの柱が掲げられた。第一に、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)の活用促進。第二に、スタートアップ企業への支援強化。第三に、行政手続きの完全デジタル化である。政府はこれらの取り組みを通じて、2025年までにデジタル関連市場を30兆円規模に拡大する目標を掲げる。
AI・IoTの活用促進
具体的には、中小企業向けにAI導入補助金を創設し、業務効率化を支援する。また、農業や建設業など、従来デジタル化が遅れていた分野でのIoT活用を推進する実証実験を全国10カ所で開始する。
スタートアップ支援
スタートアップ支援では、研究開発税制の拡充や、ベンチャーキャピタルへの出資を拡大する。さらに、大学発ベンチャーを2025年までに現在の2倍の1000社に増やす目標を設定した。
行政手続きのデジタル化
行政手続きについては、2024年度中に全ての申請手続きをオンライン化する方針だ。マイナンバーカードの普及促進も引き続き進め、2025年度末までにカード保有率を90%に引き上げる目標を掲げる。
期待と課題
経済界からは歓迎の声が上がる一方、専門家からは「実効性が問われる」との指摘も出ている。特に、中小企業のIT人材不足や、地方におけるデジタルインフラの整備が課題だ。政府は2024年度予算案にこれらの施策に必要な経費を計上する方針で、財源確保が焦点となる。



