米国のAI(人工知能)開発企業アンソロピックは27日、安全保障上の「サプライチェーン(供給網)のリスク」指定の取り消しなどを求めて米国防総省を訴えた一審で、勝訴した。裁判所は、米政府によるアンソロピックの排除はAIの軍事利用の制限撤廃を拒んだ同社に対する「違法な報復」で、言論の自由を侵す憲法違反だとする判決を下した。
地裁が政府の指定撤回を指示
カリフォルニア州の連邦地裁による判決では、「国家安全保障をやみくもに持ち出すことは、政府批判者を罰したり報復したりするための白紙委任状ではない」と断じ、米政府が出した指定を撤回するよう指示した。アンソロピックの高性能AI「ミュトス」は、一部政府機関にも提供しており、裁判所はこうした協力関係があったことも安保上の脅威だとする政府側の主張を退ける根拠とした。
軍事利用の制限をめぐる対立
アンソロピックは自社の生成AIを「自律型兵器」や「大規模監視」に利用することに制限を設けている。同社と契約していた国防総省は制限の緩和を求めたが、同社が応じなかったために対立が深刻化。今年3月に安全保障上の供給網リスクに自国企業を指定する異例の措置に出ていた。
政府側は裁判で、アンソロピックが軍事作戦を妨害するためにモデルを改変する可能性があり、信頼できない業者であるとも述べていた。
アンソロピックは今回の判決について、今後の対応を検討しているものとみられる。



