立命館大の上原哲太郎教授は、米アンソロピックのAI(人工知能)「クロード・ミュトス」の登場が、日本社会とITインフラの関係を問い直すきっかけになると考えている。高度AIの脅威が高まるなか、「インフラは常に動いて当然」という消費者の考え方も変化を迫られているという。
ミュトスが見つけた脆弱性
上原教授はミュトスの登場について、「ネットフリックスが全面的に採用する基本ソフトウェアについて、何十年も誰も気づかなかった脆弱性をミュトスが見つけたことは衝撃的だった」と振り返る。「AIの発展の仕方をみていれば、近い将来にこうした高度なAIが出てくることは予想できたが、ミュトスの登場は想定よりも早かった」と述べた。
また、「ITインフラにひそむ大量の脆弱性を短時間であぶり出す高度AIを、急に野に放つことの弊害は大きい」と指摘。「何らかの対策をとったうえでないと公開できないとアンソロピックが判断したことは象徴的だった」と語る。
攻撃者が狙うのは一般企業
ミュトスの登場後、日本の金融機関はサイバーセキュリティー対策に追われている。しかし上原教授は、「資本主義社会に不可欠な金融システムにまず注目が集まったが、もともと金融はシステムの安定性にかなり気を使い、サイバーセキュリティーにお金をかけてきた業界だ」と説明。「AIを駆使するサイバー攻撃者が狙うのは金融業界ではなく、むしろ一般のふつうの企業だろう」とみる。
その理由について、上原教授は「多くの企業が、自分たちの…」と述べている。続きは有料記事で。



