第108回全国高校野球選手権大会第6日が10日に行われ、2年連続出場の天理(奈良)は2回戦で福山(広島)と対戦し、7-2で勝利。4年ぶりに初戦を突破した。
長尾投手が強気の投球で13奪三振
天理は四回に金本相有選手のソロ本塁打で先制。六回には打者10人の攻撃で4点を追加し、先発の長尾亮大投手が福山の反撃を振り切った。
長尾投手は一回、先頭打者を内野ゴロに打ち取ると、その後を3者連続三振。相手の大応援にも動じず、ストライク先行の強気の投球で序盤から押した。五回には先頭に二塁打を打たれ、四球で一、二塁のピンチを招いたが、小沢典弘捕手が二塁へのけん制で走者をアウトにするなどして無失点で切り抜けた。
落差のある変化球を武器にボールを低めに集め、5者連続を含む13奪三振。八回に2点を失っても後続を断ち、エースの風格を見せた。
昨夏の悔しさを胸に成長
昨夏の甲子園は初戦で六回途中から登板。試合には敗れたものの、七回二死満塁で三振を奪った際の大歓声が忘れられず、「(甲子園は)良い場所で終わったけれど、勝った場所にしたい」とレベルアップを図ってきた。
「きょうは変化球のキレがよく、空振りが取れた。1年間磨いてきた成果が出た」と長尾投手。初戦突破で満足はせず、まだまだ勝ち星を積み重ねると決意した。(児玉奏子)
主将・金本選手のコメント
金本相有主将は「100点の野球ができた。チームが勝つためと考えていたので、ホームランで雰囲気を変えられた。次も守り勝ち、打撃ではチャンスをものにしたい」と語った。
双子の兄が聖地でエール
天理のアルプス席では、金本主将とそっくりの双子の兄・凱将さん(17)の姿があった。愛知の強豪・東邦で金本主将と同じ遊撃を守るも、出場が果たせなかった夢舞台に立つ弟に、ひときわ大きな声でエールを送っていた。
2人は、甲子園に3回出場経験がある父・吉徳さん(42)の影響で小学1年生から野球を始めた。吉徳さんが監督を務めるチームで、凱将さんは遊撃、相有さんは二塁を守り、息の合った連係プレーが強みだった。
だが、中学生になると、2人はチームメートでありながら「ライバルみたいな存在」に。互いに隠れて練習することもあった。結局、高校は別々の道を選び、「甲子園で会おう」と誓った。凱将さんは愛知大会の準々決勝で敗れ、約束した「双子対決」はかなわなかった。
凱将さんはこの日、球場で白球を追いかける弟に「主将としてチームを引っ張るプレーを見せてほしい」と熱い視線を送った。吉徳さんは「僕を超えてすごい選手に成長した。最後の甲子園なので、笑顔で楽しんで」と同じ聖地に立った息子の活躍を祈っていた。



