給付付き税額控除の導入目的を巡り活発な議論 中低所得層の負担軽減策として位置づけを求める声
政府・与野党による「社会保障国民会議」の下に設置された有識者会議は4月2日、東京都内で2回目の会合を開催した。会議では、減税と給付を組み合わせる新たな制度である「給付付き税額控除」の導入目的について、中低所得層の負担軽減策とするべきだとの意見が多数を占めた。また、就労促進や子育て支援策として積極的に活用することを求める提案も相次いだ。
国際比較で浮き彫りになった日本の負担率の特徴
会議では、税と社会保険料の負担から児童手当などの給付を差し引き、世帯年収で割った「負担率」について、日本と他国との比較分析が行われた。負担率の算出には、有識者会議のメンバーである日本総合研究所の翁百合シニアフェローが作成した「翁カーブ」と呼ばれるグラフを基に、消費税の負担を加味したデータが使用された。
会議資料によると、子ども2人を持つ共働き世帯の場合、日本では年収約300万~400万円の範囲で負担率が急激に上昇し、米国や英国、ドイツ、フランスなどの水準を大きく上回っていることが明らかになった。一方、年収600万円台以上の世帯では、負担率は欧米諸国と比較しておおむね低く、低所得層ほど相対的な負担が重いという構造がデータから示された。
有識者からは具体的な導入要望と制度設計の提案
会議では、複数の有識者から給付付き税額控除の早期導入を求める意見が表明された。具体的には、「勤労世代の中低所得者の負担を軽減し、所得に応じて手取り収入が確実に増加する仕組みを構築すべきだ」といった提言がなされた。さらに、現行の世帯単位での給付ではなく、個人単位での給付制度の検討を求める声も上がり、制度設計の多様性について議論が深まった。
政府側は、「導入の目的については一定程度、意見が蓄積された」と評価し、今回の議論の内容を関係閣僚と与野党幹部による実務者会議に報告する方針を示した。今後の制度設計において、中低所得層への支援を中心に据えた政策が検討される見通しだ。



