福島県郡山市の磐越自動車道で発生したマイクロバス事故により、北越高校(新潟市)の生徒が死亡した問題で、バスの不適切な運行が明らかになった。高校やバス運行会社の記者会見では、違法な「白バス」行為に当たるのではないかという質問が相次いだ。
「白バス」とは何か
一般に、バスのナンバープレートは2種類ある。路線バスや観光バスのように、有償で客を運ぶ運送業の車は「緑ナンバー」で、運行に厳しい基準が設けられている。それ以外は全て、自家用車と同じ「白ナンバー」だ。道路運送法では、緑ナンバーを取得していない自家用車が、他人の需要に応じて有償で人を運ぶ「白バス」行為を禁じている。違反すれば、最大で3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金、またはこれを併せて科される可能性がある。
事故の経緯と不適切な運行
事故は2026年5月6日、福島県郡山市の磐越道で発生。北越高校男子ソフトテニス部の生徒らを乗せたマイクロバスが衝突し、生徒1名が死亡した。バスは白ナンバーのレンタカーで、高校側は10日に記者会見を開き、顧問の教諭が「自身の目でナンバーを確認していなかった」と述べた。
契約主体の重要性
今回のケースで「白バス」行為に当たるかどうかの鍵は、レンタカーの契約主体がどこか、そして有償で運行されたかどうかだ。国土交通省の関係者によると、契約主体が北越高校だった場合、学校が自ら車両を借りて生徒を運搬したことになり、有償性がなければ「白バス」には該当しない可能性がある。一方、契約主体が運行会社の蒲原鉄道だった場合、同社が白ナンバー車を有償で運行したことになり、違法性が高まる。
現場に残された現金
事故現場からは現金3万3千円が見つかっており、これが運賃として生徒から徴収されたものかどうかが調査されている。もし有償運行が確認されれば、「白バス」行為として刑事責任が問われる可能性がある。
レンタカーの「また貸し」問題
この事故は、レンタカーの「また貸し」問題も浮き彫りにしている。レンタカー会社が借り手に車両を貸し出した後、借り手がさらに第三者に転貸する行為は、多くの場合契約違反であり、保険適用外となるリスクがある。今回のケースでは、蒲原鉄道がレンタカーを借り、それを北越高校が使用していた可能性が指摘されている。
高校側の認識
北越高校の会見では、過去の請求書に「レンタカー代」の記載があったことが明らかになった。しかし、学校側は「部活動の遠征にはレンタカーを使用するのが慣例だった」と説明し、違法性の認識は乏しかったようだ。
今後の捜査と課題
福島県警は、業務上過失致死傷の疑いで捜査を進めるとともに、道路運送法違反の観点からも調査を進めている。国土交通省も、レンタカーの適正な利用や「白バス」防止のための規制強化を検討する方針だ。
今回の事故は、部活動の移動手段における安全意識の低さや、法規制のあいまいさを浮き彫りにした。再発防止に向け、学校や運行会社、行政の連携が求められる。



