社会保障国民会議実務者会議が初会合を開催
食料品の消費税減税や「給付付き税額控除」について検討する超党派の「社会保障国民会議」の実務者会議は、3月12日に国会内で初めての会合を開きました。この会議には政府と自民党、日本維新の会、チームみらいに加えて、国民民主党も参加しました。参加各党は夏前を目途に中間とりまとめを行うことを目標として掲げ、具体的な制度設計などについて本格的な議論を開始しました。
国民民主党が参加に転じる
実務者会議は、2月26日に発足した親会議の下に設置された組織です。国民民主党は親会議の初会合には出席しませんでしたが、議事の公開などの要求が受け入れられたことを受けて、今回の実務者会議への参加に踏み切りました。一方で、政府・与党が参加を呼びかけている中道改革連合、立憲民主党、公明党の3党は引き続き出席を見送る姿勢を示しています。
会議の議長に就任した自民党の小野寺五典税制調査会長は、冒頭の挨拶で「この議論は国民の受益と負担、そして国民経済に大きな影響を及ぼす重要な課題です。党派の垣根を越えて、建設的な議論を進めていきたい」と述べ、超党派での協力を呼びかけました。
海外事例の検討と今後の方針
初回の会合では、減税と給付を組み合わせた「給付付き税額控除」を既に導入している米国や英国、フランスなどの海外事例について、政府側から詳細な説明が行われました。参加者らはこれらの事例を参考にしながら、日本の制度設計について意見を交わしました。
また、今後の会議では消費税減税の影響を受ける小売業や外食産業、農業の団体などから意見を聴取することが確認されました。これにより、現場の声を反映した現実的な政策議論が進められる見込みです。
消費税減税を巡る各党の姿勢
消費税減税に関しては、高市首相が「つなぎ措置」として2年間に限った食料品の消費税率ゼロの実現を強く訴えています。しかし、国民民主党とチームみらいの両党は慎重な姿勢を崩しておらず、この日の会議でも「期待よりも懸念の方が大きい」との意見がみらいの古川あおい政調会長から表明されました。自民党内でも、社会保障財源である消費税の減税に対する抵抗感は根強く残っています。
一方で、首相が改革の「本丸」に位置付けている給付付き税額控除の導入については、両党ともに前向きな姿勢を示しています。国民民主党の古川元久代表代行は会議で、自身の長年の持論であったとし、「実現に向けて、積極的に協力していきたい」と強調しました。同党は住民税控除と社会保険料の還付を組み合わせた独自案をまとめており、近く会議に提示する構えです。
今後の課題と展望
給付付き税額控除の導入には、所得や資産の正確な把握など多くの課題が存在します。自民党の田村憲久・元厚生労働相は「まずは簡易な形で進め、徐々に精度を上げていけばいいのではないか」との考えを示し、段階的な導入を提案しました。
興味深いことに、首相が推進姿勢を示すまで自民党内ではこの制度についてほとんど議論がされておらず、小野寺氏が「白地から議論する」と述べたように、まさに一からの検討が始まったばかりです。今後は有識者会議で論点整理を進めるとともに、実務者会議は週1回のペースで開催される予定です。社会保障制度の抜本的な改革に向けて、超党派による緻密な議論が続けられることになります。



