ドナルド・トランプ米大統領(80)は27日、カナダとの貿易摩擦が激化する中、両国の国境付近にある五大湖の一つ、オンタリオ湖(Lake Ontario)を「アメリカ湖(Lake America)」に改称するよう内務省に指示する大統領令に署名した。
「即時発効」と大統領が表明
トランプ氏はホワイトハウスで大統領令に署名する際、記者団に対し「オンタリオ湖の名称を『アメリカ湖』に変更する。即時発効する」と述べた。
AFPの記者からなぜ米国の敵対国ではなく同盟国を懲罰の対象にするのかと問われると、トランプ氏は「カナダ当局はわれわれにひどい扱いをしてきた。彼らは意地悪だ」と答えた。
大統領執務室のトランプ氏のデスクの後ろには2枚の地図が掲げられ、1枚にはオンタリオ湖の上に赤字で「アメリカ湖」と記され、もう1枚には「五大湖をさらに偉大に(Making the Great Lakes Even Greater)」との見出しが付けられていた。
オンタリオ湖の概要と改称の根拠
オンタリオ湖は、米国とカナダの国境にまたがる五大湖の中で最も表面積が小さく、南側は米ニューヨーク州、北側はカナダのオンタリオ州に接する。
大統領令は内務省に対し、連邦政府の地名情報システムにおけるオンタリオ湖の名称を30日以内に「アメリカ湖」に変更するよう指示。同湖の最深部が米領土内にあるため、米国が「湖の水量の大部分を所有している」として改称を正当化している。
今回の名称変更は、トランプ氏が2025年1月にメキシコ湾(Gulf of Mexico)を「アメリカ湾(Gulf of America)」に一方的に改称した措置を踏襲するものだ。
海洋改称の可能性と領有権主張
トランプ氏はさらに、米国に接する海洋の改称も示唆。「われわれには湾(アメリカ湾)があり、湖(アメリカ湖)もある。あとは海洋さえあれば完璧だ。だから大西洋か太平洋も改称する必要があるかもしれない。両方を改称する可能性もある」と述べた。
トランプ氏は第2次政権中、カナダを米国の「51番目の州」にすべきだというものなど、突飛な領有権の主張によって同盟国をいら立たせてきた。また、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国であるデンマークの自治領グリーンランドの領有に意欲を示しているほか、南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ前大統領を排除した後、同国を米国の州にするとも述べた。
最近では、対イラン軍事作戦が継続中であるにもかかわらず、イランとオマーンの間に位置するエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を米国の領土にすると述べた。



