袴田ひで子さん、再審制度見直しに失望「役所の常識ではなく人間として考えて」
袴田ひで子さん、再審制度見直しに失望「人間として考えて」

袴田ひで子さん、再審制度見直し案に「役所の常識ではなく人間として考えて」と訴え

刑事裁判をやり直す再審制度の見直しを巡り、1966年に発生した静岡県一家強盗殺人事件で再審無罪となった袴田巌さん(90)の姉ひで子さん(93)が、法務省が示した改正案に強い失望を表明しました。ひで子さんは3月25日、自民党の部会に出席し、「今の法務省の方針では冤罪被害者は救われない」と訴え、制度の抜本的な見直しを求めました。

法務省案に「反省はあまりないようですね」

再審制度の見直しに向けた刑事訴訟法改正では、審理の長期化を招くとされる再審開始決定への検察官の不服申し立てを禁止するかどうかが主な焦点となっています。法務省は法制審議会の答申に沿い、不服申し立てを維持した法改正案とする方針を示しています。一方、超党派の国会議員連盟による法改正案は、不服申し立てを禁止する内容となっています。

25日の自民党部会は冒頭を除き非公開で行われ、終了後、ひで子さんは記者団の取材に応じました。部会では不服申し立ての禁止や検察側の証拠が全面的に開示される制度を求め、議連案による法改正の実現を強く訴えたといいます。

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ひで子さんは法務省案について、「(制度が)不十分だから直すと言ったのに、直してくれない。反省はあまりないようですね」と厳しく指摘。「私たちの常識でもの申しても通用しない。役所の常識ではなく、同じ人間として考えてほしいと(部会で)伝えた」と語り、官僚的な対応ではなく、人間的な視点からの制度設計を求めました。

冤罪被害者の救済には議連案の実現を

自民党は前日24日の部会で、法改正案の党内議論を開始しました。同日の部会では、超党派議連に所属する議員らが議連案についても議論するよう求めて紛糾しましたが、結果的に法務省案を軸に進める方向となりました。

議連会長を務める柴山昌彦衆院議員は24日の部会後、記者団に対し「法務省案は欠陥だらけ。冤罪被害者の救済に向けては議連案の方が優れている。議論のテーブルに乗せてもらうよう働きかけを続ける」と述べ、法務省案の問題点を指摘するとともに、議連案の優位性を強調しました。

袴田事件は、1966年に静岡県で発生した一家強盗殺人事件で、袴田巌さんが死刑判決を受けましたが、再審請求が認められ、2014年に再審無罪が確定しました。ひで子さんは長年にわたり弟の無実を訴え続け、冤罪被害者救済の象徴的な存在となっています。

今回の再審制度見直しを巡る議論は、冤罪防止と司法の信頼性向上に向けた重要な局面を迎えており、今後の国会審議の行方が注目されます。ひで子さんの訴えは、単なる制度改正ではなく、人間の尊厳と正義を求める声として、政治と司法に重く響いています。

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