宇都宮地裁、乳児傷害致死事件で父親に無罪判決…死因立証不十分と判断
乳児傷害致死事件、父親に無罪判決…宇都宮地裁

宇都宮地裁、乳児傷害致死事件で父親に無罪判決…死因立証不十分と判断

栃木県宇都宮市で発生した生後7か月の乳児死亡事件において、傷害致死罪に問われていた27歳の男性被告に対し、宇都宮地裁は無罪判決を言い渡した。この裁判員裁判では、児島光夫裁判長が「十分な立証があるとはいえず、相当の疑いが残る」と指摘し、検察側の主張を退けた。

事件の概要と争点

男性被告は、2018年3月31日午後9時45分頃から翌4月1日午前6時頃の間に、当時住んでいた宇都宮市のアパートかその周辺で、生後7か月の長男に暴行を加え、頭の骨を折るなどして脳損傷で死亡させたとして逮捕・起訴された。検察側は懲役8年を求刑していた。

しかし、弁護側は「事件当時は一緒に寝ていただけだった」と主張し、長男の死因がてんかんのけいれん発作による無呼吸など、他の可能性もあると指摘。裁判では、死因が頭部への強い力による脳損傷なのかどうかが主要な争点となった。

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裁判所の判断と医師の見解

児島裁判長は判決で、証人尋問した7人の医師の見解が食い違っている点を重視した。異なる死因の可能性も考えられるとし、検察側の立証が不十分であると結論付けた。この判断は、刑事裁判における「疑わしきは罰せず」の原則に基づくものだ。

判決後、男性の弁護人は報道陣に対し、「当然の判決だ。最愛のお子さんを亡くしたお父さんが子殺しにされようとした。とんでもない話だ」と述べ、無罪判決を評価した。一方、宇都宮地検の次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントし、今後の対応を示唆した。

社会的な背景と今後の展開

この事件は、若年層の育児環境や社会的支援の在り方を問いかける事例としても注目される。男性被告は事件当時19歳で住所不定、無職だったことから、経済的・精神的な困難が背景にあった可能性も指摘されている。

裁判員裁判として実施された本件は、一般市民が司法プロセスに参加する意義を再確認させる機会となった。今後、検察側が控訴するかどうかが焦点となるが、いずれにせよ、乳児死亡事件の真相解明と再発防止に向けた議論が続くことが予想される。

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