保守分裂で横一線、高市首相来県も流れ変わらず 栃木3区で自民前議員敗れる
保守分裂で横一線、高市首相来県も流れ変わらず

保守分裂で横一線の激戦、高市首相来県も流れ変わらず

栃木県内では、高市早苗首相の人気を背景に自民党候補が相次いで圧勝した。しかし、2024年前回選挙に続く保守分裂選挙となった3区では、県内で唯一、首相が応援に入ったにもかかわらず、自民前議員の簗和生氏と自民党籍を持つ無所属の渡辺真太朗氏の両陣営が保守層を奪い合う「いつも通り」の選挙戦が繰り広げられた。

薄氷の勝利から横一線の争いへ

薄氷の勝利を収めた前回選挙から1年あまりで迎えた今回の衆院選。前回簗氏を支援した公明党の票が今回は離反したこともあり、公示後の報道各社の情勢調査では「横一線」の争いとされながらも、選挙区内では簗氏の劣勢がささやかれていた。

簗氏は高市首相との近さをアピールしてきたが、肝心の首相来県が決まらない。「首相がこないのは、本当は簗と近くないからだ」などという出所不明の情報も報道関係者に流れた。陣営にとって、首相来県は悲願となった。陣営幹部の一人は1月末、自らに言い聞かせるように語った。「高市さんが来たら流れは変わる。大きく変わる。絶対に来る」

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

首相来県も票の上積みにはつながらず

結局、高市首相は選挙戦最終盤の6日、簗氏の応援に現れた。決まったのは4日。「高市3区入り」の情報は一挙に選挙区内の関係者に広まった。那須塩原市で行われた応援演説には陣営発表で3500人が集まった。熱気に包まれた会場で、高市首相は「(3区の)公認候補は簗和生ただ一人」「私の大事なやなちゃん」と声高に宣言。当選後の自民入りを狙う渡辺陣営への配慮は皆無だった。

簗氏にとって満足いく内容だったが、投開票日直前だっただけに、票の上積みにはつながらなかったと見る向きが多い。渡辺氏に小選挙区で敗北し、4000票あまりの差をつけられた。8日深夜、簗氏は早々に比例復活を決めたが、集まった支持者へのあいさつは終始沈痛な面持ち。報道陣の囲み取材には応じなかった。

保守分裂選挙のオセロゲーム

保守分裂選挙はオセロゲームに例えられる。白か黒か。安全保障政策を巡って激論を交わすような派手さは皆無。ただひたすら関係者同士の票の奪い合いが繰り広げられる。渡辺氏は落選後の1年あまり、その戦いを有利に進めた。自民党の有力基盤だった建設業関係者は大挙して支援に回った。3区内6市町の首長のうち、大田原市長の相馬憲一氏、那須烏山市長の川俣純子氏、那珂川町長の益子純恵氏の3人が渡辺支援を公言し、マイクを握った。

異変もあった。夜の零度近い寒さの街頭演説でも、SNSで知ったという若年層を中心に20人近くが集まった。前回選では見られなかった現象で陣営関係者も驚いた。若年層や無党派層をも取り込んだ渡辺氏は、無所属ながら初当選を手にした。自民が過去最多316議席を獲得する中、若い無所属候補が自民前議員を破ったストーリーにはSNSでも注目が集まった。

戦いは次回に持ち越し

渡辺氏が勝ち、簗氏が比例復活したことで、戦いはほぼ五分のまま次回に持ち越されることが確定した。渡辺陣営は自民入りを願うが、圧勝に浮かれる党本部内でこうした声はほとんど聞こえてこない。一方で、自民県連内では渡辺氏を応援した首長らの処分について、今週にも党紀委員会に諮る方針だ。

3月に実施される大田原市長選には渡辺氏を支援した相馬氏が出馬の意向を示している。簗氏は別の人物を候補として推している。2人の戦いはまだまだ続く。(敬称略)

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ