栃木1区で維新柏倉氏が復活当選 11年浪人もつじ立ち継続、首相支持で保守票集める
栃木1区で維新柏倉氏が復活当選 首相支持で保守票集める

栃木1区で維新柏倉氏が復活当選 11年浪人もつじ立ち継続、首相支持で保守票集める

2026年2月9日午前7時頃、JR宇都宮駅西口の交差点では、日本維新の会のイメージカラーである緑色のジャンパーを着た柏倉祐司氏が、白い息を吐きながら道行く人々に挨拶をしていた。これは、彼が11年以上にわたる浪人生活の中で、医師として多忙な日々を送りながらも、平日の朝に欠かさず続けてきた恒例のつじ立ちの光景である。

柏倉氏はこの日、約2時間の仮眠だけでこの活動に臨んだが、「習慣だから、つらいというより、やらないと落ち着かない」と笑いながら語った。この地道な努力が、今回の衆院選での復活当選につながった。

11年越しの復活劇 維新の地道な活動が実る

柏倉氏の衆院選初挑戦は2012年で、みんなの党から栃木2区に出馬し、比例復活当選を果たして1期務めた。その後、栃木1区に移り、民主党、希望の党、維新と渡り歩きながら4度挑戦したが、いずれも落選していた。今回の選挙も、維新が連立与党となったものの、本拠地の大阪以外では埋没感が否めず、大きな期待は寄せられていなかった。

さらに、与党間での選挙協力は行われず、自民党のベテラン議員である船田元氏と競合。陣営は選挙戦序盤から「いつも通りの厳しい戦いだ」との認識でいたが、柏倉氏は地道な活動を続けた。

結果は大健闘だった。柏倉氏は4万1233票を獲得し、惜敗率は約48%に達した。2位の中道改革連合候補とは約4000票しか離れておらず、比例北関東ブロックの党候補の中でダントツの惜敗率を記録し、楽々復活当選を果たした

首相支持で保守票を集め、反船田票を吸収

この復活劇について、柏倉氏は「自分の力ではなく運や構図が原因だ」と冷静な見方を示す。しかし、選挙戦を通じて、彼は高市首相への支持を一貫してアピールし続けた。対抗する自民党の船田氏は、党内でも高市首相と距離がある「党内野党」の立場で知られており、柏倉氏の愚直な訴えは、結果的に保守層に根強く存在する「反船田票」を集めることにつながった。

陣営幹部は「地道に浸透を図ってきたからこそ与党候補の選択肢となり得た」と満足げに語り、柏倉氏の長年の努力が実を結んだことを強調した。

他の政党の動向 参政と国民民主の奮闘

一方、参政党は全国的に前回選から躍進したものの、参院選のような旋風を巻き起こすことはできなかった。しかし、党勢は確実に伸びており、栃木県内全体では比例選で約7万票を獲得し、24年衆院選時の約3倍に伸長した。県連会長の河田敦史氏は「確かな前進」と総括した。

国民民主党は、県内選挙区で国政選の候補者を擁立するのは初めてで、寺田和史氏が1万9626票を獲得したが、目標の2万3000票には届かなかった。寺田氏は選挙期間中、駅前でのつじ立ちや商業施設前での街頭演説といった従来型の選挙を展開したが、SNSを活用した戦略には余裕がなかったと振り返った。

今回の栃木1区の選挙は、維新の柏倉氏が長年の地道な活動と首相支持を武器に復活を果たし、保守票を集めたことで注目を集めた。他の政党も奮闘を見せたが、維新の戦略が功を奏した形となった。