自民、防衛費の新増額目標の必要性示唆 安保提言に向け検討
自民党は、国家安全保障戦略など三つの文書改定に向けた政府への提言で、防衛費の新たな増額目標の必要性を示唆する方向で検討に入ったことが、複数の関係者への取材で明らかになった。提言案では、国内総生産(GDP)比3・5%を掲げる韓国や北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国、3%とするオーストラリアを例示し、「自国防衛の国家意思を明確に示す」よう政府に要請。必要な予算を確保し、「五年以内の防衛力の変革」を求める内容となっている。
提言案の詳細と背景
十八日に判明した提言原案では、各国の取り組みを踏まえる必要性に触れるにとどめていたが、新たに判明した提言案では、各国の増額目標に具体的に言及。「自国を守る覚悟のない国を助ける国はない」と断言し、自国防衛の意思を示し、地域の平和を守る覚悟を示すことが、日米同盟の抑止力・対処力、同志国との協力の強化につながると訴えている。
具体的な予算規模については、「独立と平和を守り抜く上で必要不可欠な経費」を積み上げると強調。財源の確保と併せ、「納税者である国民に丁寧に説明し理解を得る」よう政府に求めた。自民党内では、防衛費の増額目標を明確にすることで、国際社会における日本の立場を強化し、安全保障環境の変化に対応する必要があるとの認識が広がっている。
今後の展望と課題
自民党は今後、党内での意見調整を進め、今夏をめどに政府への提言を取りまとめる方針。一方で、増額目標の設定には財源問題が伴うため、国民の理解を得るための説明責任が問われる。政府は、国家安全保障戦略の改定作業を進めており、自民党の提言を踏まえた上で、年末までに新たな戦略を策定する見通しだ。



