自民党多治見市支部が来春の岐阜県議選へ現職と新人を擁立 「多治見の乱」再びの構図に
来春の統一地方選で実施される岐阜県議会議員選挙の多治見市選挙区(定数2)を巡り、自民党多治見市支部は22日、支部総会を開催し、現職の今井瑠々(るる)氏(30)を公認候補、国会議員秘書を務める新人の友江惇(ともえ・あつし)氏(39)を推薦候補とする申請を党県連に提出することを正式に決定した。関係者が明らかにした。
支部提案が通例通り認められる見通し 党県連は5月に選対委で協議
自民党岐阜県連は5月に選挙対策委員会を開き、公認と推薦に関して党本部へ申請する手続きを行う予定だ。支部からの提案がそのまま通るのが通例となっており、今回の支部決定がほぼ確定した形となる。
今井瑠々氏は、立憲民主党から自民党に移籍して出馬し、自民党候補同士が議席を争う異例の事態となった前回2023年県議選で「多治見の乱」として大きな注目を集めた人物である。今回の支部決定により、来春の統一地方選でも自民党から候補者2人が並び立つ構図が再現されることが決定的となった。
前回の「多治見の乱」で保守層に残ったしこり 再戦の機会うかがう友江氏
前回2023年県議選では、友江惇氏が2022年夏に立候補を表明して自民党公認を得た後、今井瑠々氏が2023年1月に自民党への移籍と同党推薦での出馬を表明するという経緯があった。多治見市選挙区では従来、非自民と自民の候補者が無投票で議席を分け合う構図が続いていたが、その均衡が崩れる事態となった。
実際の選挙では、連合岐阜推薦の現職・判治康信氏(50)が組織票を背景にトップ当選を果たした。残る1議席を自民党候補2人が争う形となり、友江氏が約800票の僅差で落選。保守層の間に大きなしこりが残る結果となった。
友江氏は落選後、衆議院岐阜5区の現職・古屋圭司氏の公設秘書を務めながら、地元の政財界への浸透を図り、再出馬の機会をうかがっていた。今回の推薦決定は、その準備が実を結んだ形だ。
「多治見の乱」の経緯と影響 自民党の目標達成ならず
「多治見の乱」とは、2021年衆院選岐阜5区で、当時全国最年少の25歳で立憲民主党から出馬し落選した今井瑠々氏が、2023年県議選で自民党に電撃移籍し、多治見市選挙区から自民党推薦で出馬した一連の動きを指す。今井氏が当選した一方、自民党公認の新人・友江惇氏が落選する結果となった。
さらに、統一地方選後半戦で行われた多治見市長選でも自民党推薦候補が落選し、自民党が掲げていた「県議選2議席、その勢いで市長選当選」という目標は達成されなかった。こうした経緯から、来春の選挙では保守層の支持がどう動くかが大きな焦点となる。
自民党多治見市支部の今回の決定は、前回の乱を経てなお、党内調整が完全には解決していない状況を浮き彫りにしている。来春の統一地方選では、多治見市選挙区が再び激戦区となることが確実視されている。



