群馬県西部を走る上信電鉄で、大正時代から特産物の輸送に貢献してきた電気機関車「デキ」が、下仁田町の同電鉄下仁田駅前に展示されることになりました。地元の小中学生が見守る中、大型クレーンを使って慎重に設置されました。この機関車は、町が駅周辺で進める「街なか活性化拠点施設」のシンボルとして、上信電鉄から譲り受けたものです。
機関車「デキ」の歴史と役割
「デキ」は1924年(大正13年)に製造されたドイツ製の電気機関車で、全長9.18メートル、重量は34.5トンあります。この機関車は、町の特産品である下仁田ネギやコンニャクイモ、山から切り出した木材、さらに富岡製糸場で使われる繭などを運び、長年にわたり町の産業と暮らしを支えてきました。地域の歴史を伝える貴重な存在として、町は上信電鉄に展示を働きかけ、実現しました。
設置作業の様子
「デキ」は上信電鉄高崎駅から13日未明にトレーラーで陸送され、午前9時ごろに下仁田駅前に到着。2台の大型クレーンを使って、ゆっくりとつり上げられました。車両が空中に浮かぶと、見守っていた子どもたちから拍手と歓声が上がりました。町立下仁田小学校6年生の内藤美羽さん(11)は、タブレットで作業を撮影しながら「珍しくてとても貴重な体験ができました。施設ができたらもっと近くで見たいです」と笑顔で話しました。
活性化拠点施設の概要
現在、下仁田駅周辺では「街なか活性化拠点施設」の整備が進められています。この施設は平屋建てで、延べ床面積は460平方メートル。機関車の展示のほか、世界遺産の荒船風穴や街中の観光案内機能、休憩スペースなどが設けられる予定です。総事業費は約2億9千万円で、年度内の完成を見込んでいます。
町長の期待
岩崎正春町長は、「子どもたちが成長して町外へ出ても、この光景を心に刻んで故郷への思いを強くしてもらいたい。観光誘客や街中のにぎわい創出に加え、町民が日常的に活用できる施設にしたい」と述べ、地域活性化への期待を語りました。



