観光客ほぼゼロの商店街が年間1万人に復活、20代のヨソ者たちの絶妙アイデア
観光客ほぼゼロの商店街が年間1万人に復活、20代のヨソ者たちの絶妙アイデア

2026年5月にプレジデントオンラインで反響を呼んだ人気記事ベスト3をお届けする。ビジネス部門第2位は、観光客がほぼゼロだったシャッター商店街が年間1万人の観光客を集めるまでに復活した奇跡の物語である。

シャッター商店街を変えた異色のホテル

大阪府東大阪市にある布施商店街。最盛期には約780店舗が軒を連ね、週末ともなれば人波が絶えなかった。しかし、高度経済成長期以降、郊外型大型ショッピングモールの進出により消費者の足が遠のき、個人経営の店は価格競争に敗れ、後継者不在で閉店が相次いだ。かつて活気に満ちていた商店街は、半数近くのシャッターが下りる寂しい光景に変わった。

そんな中、異色のホテル「SEKAI HOTEL 大阪布施」が登場した。このホテルは、商店街全体をホテルとして活用するという前例のないコンセプトを掲げた。空き店舗を客室やフロントに改装し、商店街そのものに宿泊客が溶け込む仕組みを作り出したのだ。

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20代のヨソ者たちが開いた突破口

このプロジェクトを主導したのは、地元出身ではない20代の若者たちだった。彼らは「商店街ごとホテルにする」という大胆なアイデアを打ち出し、地元のしがらみに縛られずに実行に移した。空き店舗を活用することで、商店街に新たな賑わいを生み出し、観光客が「泊まる」という選択肢を提供した。

「体験」だけでは人は集まらなかった

当初はイベントや体験企画を打ち出したが、継続的な集客にはつながらなかった。そこで、外国人観光客が注目したのは「物語」だった。商店街の歴史や地元の人々の暮らしに触れられる滞在が、ユニークな体験として評価されたのだ。

稼働率5割でも黒字になる仕組み

SEKAI HOTELは、稼働率が50%でも黒字を維持できるビジネスモデルを構築した。空き店舗を低コストで借り上げ、地域住民との協力で運営コストを抑えた。また、宿泊客が商店街の店を利用することで、地元経済にも好循環をもたらした。

束ねると価値が生まれる

商店街の空き店舗を一つのホテルとして束ねることで、個々では価値が低かった物件に新たな価値が生まれた。この手法は、他の地域のシャッター商店街再生のモデルケースとしても注目されている。

現在、布施商店街には年間約1万人、44カ国から観光客が訪れるようになった。かつては「観光客ほぼゼロ」だった街が、20代のヨソ者たちの絶妙なアイデアによって、見事に復活を遂げたのである。

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