終戦の日、平和維持へ努力重ねる必要 全国戦没者追悼式
終戦の日、平和維持へ努力重ねる必要 全国戦没者追悼式

「終戦の日」の15日、東京・日本武道館で全国戦没者追悼式が行われ、先の大戦で国のために命を落とした310万人の冥福を祈った。惨禍の記憶を風化させない取り組みを続けるとともに、平和への努力を重ねていく必要がある。

戦後世代が遺族の半数超え、若い世代への継承が課題

追悼式に参列した遺族のうち、戦後世代は昨年から半数を超えている。式典では、遺族の小学生らが献花者に花を手渡す役目を担った。平和への志を若い世代に受け継いでいくことが欠かせない。

天皇陛下は式典で「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願います」と述べられた。陛下は6月にオランダを訪問された際、「過去に苦難の時期があったことも、決して忘れてはなりません」などと語られた。第2次大戦中、南方に侵攻した日本軍が、十数万人のオランダ人を抑留した歴史を念頭に置いている。陛下のお言葉は、歴史の一時期に敵対したとしても、それを乗り越えていく大切さを示されたものと言えるだろう。

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終戦の詔書の原本を特別展示、当時の緊迫した状況を伝える

81回目の終戦の日に合わせて、東京・北の丸公園の国立公文書館では、昭和天皇がポツダム宣言の受諾を表明した「終戦の詔書」の原本を、20日まで特別展示している。詔書を朗読した玉音放送は、戦争終結を国民に伝えた。詔書は、閣議で激論の末、決定された。玉音放送の録音時間までに書き改める余裕がなく、展示されている詔書からは、用紙を削って修正した跡など、当時の緊迫した状況がうかがえる。

終戦の直前、降伏に反対する一部陸軍将校らは、玉音放送を阻止しようと皇居を一時占拠した。戦争を終結させることはいつの時代も難しい。ロシアによるウクライナ侵略や、米国とイスラエルが行ったイラン攻撃も、出口が見えないままだ。

国際協調体制の立て直しと遺骨収集の加速が課題

戦後、平和の恩恵を受けてきた日本は、崩壊寸前の国際協調体制を立て直す役割を積極的に担うべきだ。地域の安定と繁栄を目指した外交努力を続けるとともに、防衛力を強化し、抑止効果を高めていくことも重要である。

先の大戦では、海外や沖縄、硫黄島で240万人が命を落とした。今なお112万人分の戦没者の遺骨が収容できていない。政府は2029年度末までを遺骨収集の集中実施期間と定め、DNA鑑定の体制を強化している。戦地に眠る遺骨を収集することは国の責務だ。政府は作業をさらに加速させねばならない。

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