豊予海峡ルート構想の事業費試算が公表、海底トンネル整備で約1兆5200億円
大分県と愛媛県を結ぶ「豊予海峡ルート構想」を巡り、大分県が道路の海底トンネルを整備した場合の概算事業費が約1兆5200億円に上るとの試算をまとめたことが明らかになった。この金額は、大分市が過去に算出した概算事業費の約2倍に相当し、県はPFI(民間資金を活用した社会資本整備)など官民連携策の導入可能性を検討している。
試算の詳細と背景
試算は、県の委託を受けた建設コンサルタント会社が実施したもので、東九州自動車道の大分宮河内インターチェンジ(大分市)と大洲・八幡浜自動車道の保内IC(愛媛県八幡浜市)間に、トンネルを含む全長80キロメートルの高速道路整備を想定している。大分市が2016年度から2021年度にかけて同区間で行った調査では、事業費は6900億円と試算されていたが、今回の県の試算では大幅に増加した。
関係者によると、この増加の主な理由は、本州と北海道を結ぶ青函トンネルの施工方法を参考に検討した点にある。具体的には、市の試算では含まれていなかった工事用通路(作業坑)や、地質・湧水調査を目的とした先進導坑の掘削を加えたため、費用が膨らんだという。これにより、より現実的な事業費見積もりが可能となった。
今後の展望と課題
大分県は、この高額な事業費を踏まえ、PFIなどの官民連携策を導入する可能性を検討している。官民連携により、資金調達やリスク分担を効率化し、プロジェクトの実現性を高める狙いだ。また、この構想は地域経済の活性化や交通網の強化に寄与することが期待されており、今後の具体化に向けた議論が活発化しそうだ。
一方で、約1兆5200億円という巨額の事業費は、財政面での課題も浮き彫りにしており、県や関係自治体は慎重な計画策定が求められる。環境影響評価や地元住民の合意形成も重要なプロセスとなるだろう。



