Z世代(1990年代後半から2010年代生まれ)の若者の間で、企業を選ぶ基準として、給与や福利厚生といった従来の要素よりも、社会貢献や環境問題への取り組みを重視する傾向が顕著になっていることが、複数の調査で明らかになった。
社会貢献を重視するZ世代
調査会社マクロミルが2025年4月に実施したアンケートによると、Z世代の就活生の約7割が「企業の社会貢献活動」を選考の際の重要な判断材料と回答。特に「環境保護」「地域社会への貢献」「ダイバーシティ推進」が上位に挙げられた。また、実際に内定を承諾する際に、社会貢献度の高い企業を優先したと答えた割合は前年比で15ポイント上昇した。
背景にある価値観の変化
この傾向の背景には、幼少期から環境問題や社会課題に触れる機会が多かったZ世代の価値観がある。気候変動や格差問題に対する意識が高く、自分の仕事が社会にポジティブな影響を与えることを重視する。また、SNSを通じて企業の取り組みを容易に比較できる環境も影響している。
一方、企業側もこの変化に対応し、サステナビリティ報告書の充実や、社内でのボランティア活動の奨励、環境配慮型の製品開発などを積極的にアピールする動きが広がっている。人事コンサルタントの山田太郎氏は「Z世代は企業の本気度を見極める目が鋭い。表面的な取り組みでは響かない」と指摘する。
給与よりやりがい
別の調査では、Z世代の約6割が「給与が高くても社会貢献度の低い企業より、給与がやや低くても社会貢献度の高い企業を選ぶ」と回答。特に理系学生や女性にその傾向が強い。また、自身の価値観と企業の理念が合わない場合、転職を検討する割合も高い。
この変化は、企業の人材確保戦略にも影響を与えている。従来の福利厚生や給与水準の競争に加え、社会貢献の具体的な成果を発信することが、優秀な人材を引き付ける鍵となりつつある。
今後の展望
専門家は、この傾向が今後さらに強まると予測。企業には、社会課題の解決に真摯に取り組む姿勢が求められると同時に、Z世代の価値観を尊重した職場環境の整備が急務だと指摘する。また、教育現場でもキャリア教育の一環として、社会貢献と仕事の結びつきを教えるプログラムが増えている。



