東京都清瀬市で、前市長が2億円以上の税金を投入して設置した豪華客車「夢空間」の行方が、新たな焦点となっている。原田博美市長(50)は、この車両の維持について「まだ自信がない」と吐露し、今後の方針に苦慮している様子を明らかにした。
「夢空間」とは何か
「夢空間」は、1989年に登場した3両編成の豪華列車で、ダイニングカー、ラウンジカー、寝台車から構成される。ラグジュアリーな内装で鉄道ファンを魅了したが、老朽化により2008年に営業運転を終了。その後、渋谷桂司前市長の肝いりで清瀬市中央公園に展示されることとなり、搬出・搬入に約3800万円、展示屋根と土台に約8000万円、車体修復に約1億円が費やされた。
市民の反応と新市長の立場
市民からは「税金の無駄遣い」との否定的な声が上がる一方、鉄道ファンからは「絶対に解体しないで」と保存を求める声が寄せられている。原田市長は「市民から批判のほうが多かった」と認めつつ、「引き受けたからには責任をどう果たすか。本当に重たい」と述べ、難しい立場に立たされている。
レストラン事業の開始と今後の見通し
5月2日からは車内でのレストラン事業がスタートし、復刻コース(1万1000円)などが提供される。予約は順調だが、原田市長は「利便性がそこまでよくない場所だし、わざわざ食事に来てくれる人がどれだけいるか」と懸念を示す。管理運営は指定管理で、NKB(東京都千代田区)に再委託され、独立採算で運営される。契約期間終了時には原状回復して市に戻す約束だが、赤字撤退の可能性も視野に入れている。
中央図書館問題との関連
原田市長は、市長選で争点となった中央図書館の再開を断念したことについても謝罪。都市公園法による建ぺい率制限が理由で、夢空間の展示屋根が完成したことで図書館再開が不可能になったという。市議時代には情報公開請求で前市長の鉄道関連視察を明らかにするなどしてきたが、市長就任後は情報公開の重要性を痛感している。
今後の方針
原田市長は「今すぐ方針を変えることは困難で、最低1年は状況を見なければいけない」と述べ、当面は現状維持で様子を見る方針。市は夢空間に関連する費用として清掃費のみを負担し、公園の指定管理料に含まれるとしている。クラウドファンディングで約700万円の支援を集めたこともあり、手放す場合には返金を求める声もある。
原田市長は共産党籍の現職首長として全国で4人目、清瀬市初の女性市長として注目を集めた。就任早々、難しい決断を迫られているが、「いろんな声を聞いて練り上げていくプロセスが大事」と語り、市民との対話を重視する姿勢を示している。



