高市早苗首相は22日午後(日本時間23日未明)、米ニューヨークで開かれた国連総会の一般討論で演説し、国際秩序の揺らぎを踏まえ、国連改革や法の支配に基づく国際秩序の維持への決意を表明した。
国際秩序への挑戦と国連の役割
首相は演説の冒頭で、「国際秩序に、大きな揺らぎが生じています」と述べ、「冷戦後の安定した時代」は既に過去のものとなったと指摘。物流の停滞や物価高、開発目標の達成遅延、人権をめぐる課題が生じているとし、国連が創設から80年を経て役割を果たせていないとの声があることに触れた。
その上で、「世界に平和と安定をもたらし、国際社会が新たな課題を乗り越えて繁栄する上で、今ほど、国連が重要な時代はない」と強調し、日本が国連のために大きな責任を果たす決意を示した。
三つの柱とFOIPの進化
今年は日本が国連に加盟してから70年目にあたる。首相は、国際社会が直面する課題への日本の取り組みとして、三つの柱を挙げた。
一つ目は、エネルギー・重要物資のサプライチェーン強靱化。中東情勢の緊迫化に伴いホルムズ海峡での自由で安全な航行が困難になっているとし、「パワー・アジア」の立ち上げや、湾岸諸国との包括的な協力計画を進めていると説明した。
二つ目は、平和と安定に向けた連携の強化。核軍縮・不拡散への取り組みや、北朝鮮の核・ミサイル開発、拉致問題への対応を訴えた。三つ目は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・発展への貢献で、ロシアによるウクライナ侵略を「最たる例」と批判した。
また、今年5月に発表した「進化したFOIP」について言及し、「自律性」と「強靱性」の重要性を強調した。
国連改革と今後の決意
首相は、国連や多国間主義への日本の取り組みとして、ODA総額6,700億ドル超、99カ国へのJICA海外協力隊員派遣などの実績を紹介。来年の太平洋・島サミットの横浜開催や、国際防災協力担当大臣の新設にも触れた。
その上で、「国連の改革が不可欠」とし、安全保障理事会の常任・非常任双方の拡大が必要だと主張。「旧敵国条項」の削除も強く求めた。
最後に、「国連と共に、インド太平洋を、そして国際社会を、より強靱に豊かにして、平和と繁栄をつくる」との決意を述べ、演説を締めくくった。



