ネタニヤフ氏、国連演説で英仏を「どの口が」と痛烈批判
ネタニヤフ氏、国連演説で英仏を痛烈批判

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は24日、米ニューヨークで開催中の国連総会一般討論で演説し、敵対するイランのみならず、伝統的な同盟国やパートナー国をも攻撃した。

演説前から抗議の退席相次ぐ

政権維持を懸けたイスラエル総選挙が接戦となる中、ネタニヤフ氏は、国連総会というグローバルな舞台を利用し、敵対するイランの指導部から米ニューヨーク初のイスラム教徒市長、さらには英国、フランス、トルコといった同盟・パートナー国に至るまで、あらゆる対象に罵詈雑言を浴びせた。

演説開始前、多くの国の代表団が抗議の意を示して一斉に退席した。中にはブーイングやヤジを飛ばす外交官や大使もいた。一方で、イスラエル代表団は立ち上がって拍手を送り、議長が混乱を収めようと「静粛に!」と大声で呼び掛ける事態となった。

代表団が背を向けて退席する中、ネタニヤフ首相は「この議場にまだ道徳的な臆病者が残っているならば、今すぐ出て行くがいい」と呼び掛けた。

ニューヨーク市長と英仏を非難

ネタニヤフ首相は、ニューヨークの左派ゾーラン・マムダニ市長を「反ユダヤ主義者」と呼び、「あなたがこの街の市長に選出されて以来、多くのユダヤ人が安心できなくなっている」と批判した。

マムダニ市長は、国際刑事裁判所(ICC)が出したネタニヤフ首相の逮捕状を執行すると警告していたが、後に自身にはその権限がないことを認めた。ICCは2024年、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘をめぐり、飢餓を用いた戦争犯罪と、殺人や迫害など人道に対する罪の疑いで、ネタニヤフ氏らに逮捕状を出した。

これに対しマムダニ市長は、「ネタニヤフ氏は演説を利用し、パレスチナ人に対するジェノサイドを受け入れやすくするための根拠のないうそを繰り返した」「しかし、いかなるうそも、彼が戦争犯罪および人道に対する罪の容疑でICCの逮捕状を出されたという事実を変えることはできない」と反論した。

ネタニヤフ氏は、イスラエルの歴史的なパートナー国でありながら近年批判を強めている英国とフランスも攻撃した。

植民地主義の過去を挙げて反論

英仏両国は、イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地で生産された製品の輸入を規制する方針を示している。さらにフランスのエマニュエル・マクロン大統領は自身の国連演説で、イスラム組織ハマスについて、「(イスラエルが1967年の第3次中東戦争で占領した)ヨルダン川西岸で一度も攻撃を行ったことがない(ハマスの拠点はガザ地区で、西岸はパレスチナ自治政府の管轄であるため)」と述べ、イスラエルの怒りを買っていた。

ネタニヤフ氏は、英仏両国が過去にアジアやアフリカなどに巨大な植民地帝国を形成したことに言及して両国を攻撃。「彼らはイスラエルを、小国イスラエルを『植民地主義』だと批判している。どの口が私たちを責めているのか。その中には英国人やフランス人が含まれている。あきれたことに、彼らこそがその言葉(植民地主義)を生み出した張本人ではないか」と指摘した。