フランスのエマニュエル・マクロン大統領は22日、大統領として最後となる国連総会の一般討論演説に臨み、「弱肉強食(ジャングルのおきて)」へと回帰する世界情勢に強い懸念を示し、各国に対して国際法・国連憲章の順守を呼び掛けた。
「文明化された国際社会」への選択を訴え
マクロン氏は「われわれに突きつけられている問いは極めて単純だ。このような自然状態、すなわり『弱肉強食』へと回帰する世界で生きたいのか、それとも文明化された国際社会で生きたいのか、ということだ」と主張した。
さらに「私のメッセージは、毅然とした態度を保つことだ。現に進行しつつある事態に屈してはならない。敗北のレトリックが大国による権力の乱用を許し、一部の国の主権を脅かしている」と述べた。
ウクライナとガザへの対応を要請
マクロン氏はまた、ロシアとウクライナの両国に対し、エネルギー施設および民間インフラへの攻撃停止に同意するよう要請した。「われわれは民間インフラの破壊や人権侵害を目撃してきた。これは新たな『蛮行』の時代だ」「われわれは民間人を保護しなければならない。だからこそエネルギー施設および民間インフラに対する攻撃の相互一時停止への支持を表明したい」と付け加えた。
パレスチナ自治区ガザ地区におけるパレスチナ人の窮状についても言及し、「ガザ情勢に対して何もしないなら、われわれの信頼性にはどれほどの価値があるというのか。平和が達成されたと主張する者もいるが、人道支援物資の輸送は始まっていない。これはわれわれ全員にとって恥ずべき光景だ」と批判した。
AI開発でのオープンソースモデルを提案
AI(人工知能)がもたらすリスクについて警鐘を鳴らした他の首脳らに続き、マクロン氏はAI開発における代替モデルを提案した。AI分野の二大強国である中国と米国を念頭に「どこかの国が大国の従属国になることを望んでいない。むしろ私たちは力を合わせ、最先端のオープンソースモデルを構築すべきだ」「われわれの投資能力を結集し、共有可能な最先端のオープンソースAIモデルを構築しなければならない。他者に依存すべきではない」と訴えた。



