高市早苗首相は訪米し、トランプ米大統領とニューヨークの国連本部で会談した。国連総会では一般討論演説に臨んだ。日米首脳会談で首相は「国連本部で会談することは、世界に日米同盟の強さを示すことになる」と述べた。両首脳は、同盟の抑止力と対処力の強化を確認した。
米中首脳会談直前の同盟の絆
24日の米中首脳会談の直前に日米両首脳が同盟の絆を示した意義は大きい。首相が会談後の会見で、「米中関係が日本を含む国際社会の安定に資するものとなることが重要だ」と述べ、米国と緊密に連携していくとしたのは妥当である。
米中首脳会談の結果が出るのはこれからだが、首相は引き続きトランプ氏とコミュニケーションをとり、強固な日米同盟の姿を示してほしい。それが対中抑止力を高めることになる。
対中・対北朝鮮での協力確認
日米両首脳は対中国を念頭に人工知能(AI)や重要鉱物の分野での協力で一致した。「自由で開かれたインド太平洋」の推進も確認した。北朝鮮の核・ミサイル問題への共同対処の必要性と、北朝鮮の完全な非核化への決意を確認した。トランプ氏は日本人拉致問題の即時解決を全面的に支持した。
トランプ氏とは、対中に加え対北姿勢のすり合わせも欠かせない。トランプ政権は国際刑事裁判所(ICC)の解体を唱えている。首相は会談でICCを支持する立場を踏まえ議論した。首相は国連演説で支持を表明した。トランプ政権は米兵へのICCの捜査を主権侵害とみて反発している。日本政府は話し合いを促すことが重要だ。
国連演説での主張とウクライナ支援
国連演説で首相は、ロシアによるウクライナ侵略を挙げ、力または威圧による一方的な現状変更の試みは認められないと強調した。第二次世界大戦の敗戦国を対象とした国連憲章の「旧敵国条項」の削除が2005年の国連総会で決議されたことを指摘し、早急な削除を求めた。いずれももっともな表明だ。
演説では北朝鮮の核・ミサイル開発を国連安保理決議違反で国際社会への重大な脅威だと批判した。イランの核開発問題への懸念も示してほしかった。ウクライナのゼレンスキー大統領とも会談し、支援と対露制裁の継続を伝えた。侵略者ロシアに凱歌(がいか)をあげさせないことは日本の平和に直結している。



