少子化に対応して2040年までに私立大学の4割削減を唱えた財務省に対し、文部科学省が一律的な縮減に警戒感を示している。規模適正化の必要性は共有するものの、地域を支える人材の育成を重視する立場から数値目標への抵抗が強いのが現状だ。財務省は大学の運営に国費を投じる助成金にメリハリを利かせようと、一部の授業内容にも苦言を呈している。
財務省の提言と文科省の反応
財務省は4月、有識者で構成する財政制度等審議会の分科会において、2024年時点で624校ある私立大学の約4割に当たる250校程度を削減すべきとの提言を行った。これは半数を超える私立大学が定員割れしている実態に危機感を抱いた結果である。
これに対し、松本洋平文部科学大臣は「定員割れの事実のみで機械的に判断するものではない」と強調。文科省は「地域の医療、福祉、産業、インフラ等を支える人材と高等教育へのアクセスの確保」が重要であるとの見解を公表し、一律的な縮減に慎重な姿勢を示している。
大学数の増加と少子化の現状
日本の大学は増加傾向にある。1989年時点で198万人だった18歳人口は2024年に109万人まで落ち込んだが、国公立を含めた大学数は499校から813校に膨らんだ。この乖離が財務省の懸念を強めている。
文科省は地域ごとの事情を考慮し、一律の数値目標ではなく、地域の人材育成や高等教育へのアクセス確保を優先すべきとの立場だ。両省の間で今後の調整が続くとみられる。



