神奈川県内の3政令市を除く全ての市町村長が特別市構想に反対の意思を示したことを受け、法制化を求める横浜市、川崎市、相模原市の各市長は13日、連名で緊急声明を発表しました。声明では、「持続可能な社会の実現に向けては、行政目線での対立ではなく、住民目線に立った建設的な議論が必要」と強調しています。
背景:30市町村長が反対表明
特別市(特別自治市)構想は、政令指定都市が道府県から独立し、県と同等の権限を持つ新たな自治体となる制度です。これに対し、神奈川県町村会は4月14日に、また3政令市を除く全16市長は5月12日に、それぞれ黒岩祐治知事に反対の要望書を提出しました。反対理由として、特別市制度が実現すれば県の広域調整機能が損なわれる懸念や、財政面での影響があることなどが挙げられています。
3市長の主張:特別市は新たな制度
3政令市の共同声明では、こうした危惧について「あくまでも現行の指定都市制度を前提として、県が主張している内容に基づくもの」との見解を示しました。その上で、特別市は指定都市とは異なる新たな地方自治制度であり、前提が異なると訴えています。また、国の地方制度調査会(地制調)で特別市制度を含む大都市の行政体制の在り方が議論されていることに触れ、「国で幅広い検討が行われている中で、制度の可能性を否定することには強い違和感と疑問を抱かざるを得ない」と懸念を表明。今後も制度の意義や考え方について丁寧な説明を積み重ね、関係者の理解が深まるよう努めるとしています。
黒岩知事の反論:「政令市ファーストだ」
一方、黒岩知事は13日の定例記者会見で、政令市を除く県内の全市町村長が特別市の法制化に反対していることについて、「あまりにも問題が多いということでそれぞれの自治体が判断されたことだ」と主張。特別市制度は「政令市ファーストで、分断の思想だ」と批判しました。さらに、自身は横浜市民や川崎市民から「県から独立したいという声を聞いたことがない」とし、「県民目線が一番大事なことだ」と強調しました。その一方で、主張に隔たりのある3政令市側に対し「われわれは対話を避けることは全くない。いつでも門を開いて待っている」と述べ、協議の余地も示唆しました。
この問題は、今後の地方自治の在り方や大都市と県との関係を巡る重要な論点となっています。国の地方制度調査会での議論の行方とともに、神奈川県内の自治体間の対話が注目されます。



