トランプ米大統領は、中国からの輸入品に対して新たな追加関税を課す大統領令に署名した。これにより、米中間の貿易摩擦は一段と激化することが予想される。
関税の詳細
新たな関税は、中国からの輸入品約3000億ドル分に適用される。これまでに発動された関税と合わせると、中国からのほぼすべての輸入品が対象となる見込みだ。
トランプ大統領は声明で、「中国は知的財産の窃取や不公正な貿易慣行を続けている。この措置は米国の経済安全保障を守るために必要だ」と述べた。
中国の反応
中国政府は直ちに反発し、「断固として対抗措置を取る」と表明した。具体的な報復措置については明らかにしていないが、米国産農産物やエネルギー製品への関税引き上げが検討されているとみられる。
中国商務省は報道官談話で、「米国の一方的な貿易保護主義措置は国際貿易のルールに反する。中国は必要な措置を講じ、自国の正当な権益を守る」と強調した。
経済への影響
専門家は、追加関税が世界経済に深刻な影響を及ぼすと警告する。国際通貨基金(IMF)は、米中貿易戦争の激化により、2025年の世界GDP成長率が0.5ポイント押し下げられる可能性があると試算している。
また、米国の消費者向け製品の価格上昇や、サプライチェーンの混乱も懸念されている。特に電子機器や衣料品など、中国からの輸入に依存する分野への影響が大きいとみられる。
株式市場では、関税発動を受けてダウ平均株価が一時300ドル超下落するなど、リスク回避の動きが強まっている。
今後の見通し
両国の対立は長期化する可能性が高い。米国では11月に大統領選挙を控えており、トランプ大統領は強硬姿勢を崩さないとみられる。一方、中国も国内経済の減速を背景に、譲歩には消極的だ。
米中両政府はこれまでに数回にわたり貿易交渉を行ってきたが、合意には至っていない。今回の追加関税により、交渉の糸口さえ見えにくくなっている。



