AIとARで建設現場教育、学生起業家の木村氏が最優秀賞
AIとARで建設現場教育、学生起業家が最優秀賞

建設業界の人材不足に着目し、人工知能(AI)と拡張現実(AR)技術を活用した動画マニュアルによる現場教育サービスを展開する学生起業家が注目されている。県のイノベーション創出拠点「渋沢MIX」の大学生向け起業伴走プログラム「GAKU∞STA(ガクスタ)」で、このサービスを提案し2025年度の最優秀賞に輝いたのは、AIベストパートナーズ(東京)の木村直人社長(25)だ。

東大在学中にAI研究を重ねる

木村氏はさいたま市出身で、東京大農学部に学び、AIについては松尾研究所(東京)で学生インターンとしてエンジニアの研究を積んだ。「若いうちであれば起業リスクが低いことやAIを活用して社会へ貢献することが自分の使命」との思いから就職せず、学生起業家の道を選んだ。

提案したビジネスモデルは、建設現場での作業手順をわかりやすく共有するため、動画を撮影すると自動で編集・マニュアル化し、AR機能とAIを組み合わせて、ゴーグルに動画を映しながら現場で体験的な学習を可能にする仕組みだ。

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差別化ポイントと今後の展開

木村氏は「動画マニュアル単体やAR機能単体のサービスはすでに存在するが、ARとAIを組み合わせた動画マニュアル、という形は斬新で、より実体験に近い形で学習できる点が差別化ポイント」とアピールする。当面は建設業の中でも電気工事の見積もりや現場調査、リフォーム分野に注力する考えだ。

将来的には「空間認識技術や画像認識技術を核に、例えば一般消費者がリフォームの現場調査を自ら行えてコストダウンを図れるようなサービス展開も視野に入れている」としている。

受賞の喜びと今後の課題

最優秀賞受賞については「率直にうれしい。一定程度プロダクトを作り上げ実際に(企業に)試していただくなどの行動力が評価されたと自己分析している」と語る一方、「自分のビジネスモデルの競合分析をふまえた開発や検証のサイクルを完結できなかった点は課題として残っている」と振り返る。

プログラム参加を通じ、「誰のどの課題を、どう解決するかというマーケットインの姿勢を学べたことが最大の収穫。ターゲットである建設業界に入り込む入り口として人脈を形成できたことや埼玉の企業コミュニティーに参加できたことも大きい」と話す。

起業を志したきっかけは「孫正義さんやビル・ゲイツさんのように学生で起業した偉大な経営者に受けた影響が大きい」とし、将来的には「植物工場のような世界を変えるビジネスを手掛け、次世代に夢を与える経営者になりたい」と夢を語った。

GAKU∞STAは、埼玉での起業や事業の可能性を広げたい学生を対象に、ビジネスアイデアの事業化を目指す起業伴走プログラム。講座やメンターによる支援、発表の機会を通じてアイデアを形にする経験が得られ、優秀なプランには支援金などの追加支援もある。

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