脱炭素・ESG領域のクラウドサービスを手がけるアスエネは7月23日、シリーズDラウンドで総額135億円を調達したと発表した。7月のスタートアップ資金調達ランキングでトップに立つ大型調達となる。
リード投資家として参画したのは、世界最大の資産運用会社である米ブラックロックとシンガポールの政府系ファンドであるテマセクの合弁企業、Decarbonization Partners(DP)。DPによる日本のスタートアップへの出資は今回が初めて。
アスエネの事業と強み
アスエネは、企業のCO2排出量やESGデータの算定・管理から情報開示までを一気通貫で支援するクラウドサービスを提供。サプライチェーン全体のデータを集約できる点が強みで、東京商工リサーチの調査では、累計導入社数、プライム上場企業の導入社数、製造業の導入社数の3部門で国内トップ(5月末時点)。累計導入は5万6000社を超える。
同日、イギリスの2degreesを最大60億円で買収したことも発表。IPO市場の低迷でレイターステージのイグジット環境が厳しさを増す中、上場よりもM&Aと海外展開を優先する。
西和田CEOが語る調達の真意
西和田浩平CEOは、ブラックロック系のDPによる出資について「単月の営業キャッシュフローはすでに黒字化しており、オーガニックに成長していく分にはお金は必要なかった。それでもあえて海外投資家からの調達にこだわったのは、この領域でグローバルナンバーワンになりたいからだ」と説明。
「海外で営業したり、パートナーシップを組んだり、M&Aしたりするときに、世界的に誰もが知っている機関投資家が入っていることは効果的だ。『日本のSMBCが出資しています』と言えば国内では評価されるが、欧米の会社にはあまり理解されない」と語る。
ブラックロックは上場時のコーナーストーン投資家になりうるし、上場後も株主として残ってもらえる可能性がある。「IPO後を見据えた資本政策として、今回の調達は非常に大きい」と述べた。
DPとの交渉は3〜4年前、シリーズBのころから続けてきた。当時はまだサイズが小さかったという。「日本のレイターステージのスタートアップにとって、海外の機関投資家を引きつけることは勝ち筋の1つだろう」と指摘。
今回はマレーシア国営石油会社ペトロナスのCVCも新規で入ったが、彼らにとっても日本のスタートアップへの投資は初めてだという。



