証券口座乗っ取り事件で「口座準備役」逮捕 報酬目的で開設と譲渡の疑い
警視庁は2026年2月19日、証券口座が乗っ取られ株の不正取引が行われた事件をめぐり、無職の山谷健太郎容疑者(28)=住居不定=を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕したと発表しました。山谷容疑者は容疑を認めていると伝えられています。
警視庁サイバー犯罪対策課によると、山谷容疑者は2025年4月8日から15日にかけて3回にわたり、株の不正取引によって得られた犯罪収益の532万4100円について、自身の証券口座から銀行口座に不正送金した疑いが持たれています。株の不正取引を実際に行った人物は現時点では不明とされています。
不正取引の詳細と口座開設の経緯
問題の証券口座は2025年4月7日に開設されました。翌8日には、何者かに乗っ取られた別の証券口座などとの間で、12銘柄の株の売買が繰り返し行われ、132万4100円の利益が生じていたことが明らかになっています。
山谷容疑者は複数の証券口座や銀行口座を開設しており、そのうちの一つの証券口座を譲り渡す目的を隠して開設したとして、今年1月29日にも詐欺容疑で逮捕されていました。警視庁は、山谷容疑者が報酬目的で口座情報を何者かに譲り渡していたとみて捜査を進めています。
山谷容疑者は一連の証券口座乗っ取り事件において、いわば「口座準備役」としての役割を果たしていたと警視庁は分析しています。この事件は、証券口座の不正利用が組織的に行われる可能性を示唆するケースとして注目されています。
事件の背景と社会的影響
近年、証券口座をめぐるサイバー犯罪は増加傾向にあり、個人投資家の資産が狙われる事例が相次いでいます。今回の事件では、口座開設そのものが犯罪の準備段階として利用された点が特徴的です。
警視庁は、山谷容疑者がどのような経路で口座情報を譲渡したのか、また受け取った側の人物や組織の特定を急いでいます。電子計算機使用詐欺は、情報技術を悪用した深刻な犯罪として、罰則が強化されている分野です。
この事件は、証券会社における口座開設時の本人確認手続きの重要性を改めて浮き彫りにしました。金融機関側のセキュリティ対策と利用者自身の警戒心が、資産保護には不可欠であることを示しています。



