【そもそも解説】核燃料サイクル、なぜ遅れ続けるのか?相次ぐトラブルの実態
【そもそも解説】核燃料サイクル、遅れ続ける理由

全国各地の自治体が、原子力発電所から出る「使用済み核燃料」に対して課税を進めています。その背景には、国の核燃料サイクル計画が計画通りに進んでいない現状があります。そもそも核燃料サイクルとはどのような政策で、なぜ遅れが生じているのでしょうか。

使用済み核燃料とは

使用済み核燃料とは、原子炉で約4~5年間発電に使用した燃料を指します。高い放射線量と熱を帯びているため、各電力会社は原発敷地内の貯蔵プールで冷却しながら保管しています。また、冷めた使用済み核燃料を原発の外で一時的に保管するため、青森県むつ市には中間貯蔵施設が設けられています。

核燃料サイクル政策の概要

核燃料サイクル政策は、使用済み核燃料に含まれるプルトニウムなどを再処理して取り出し、再び原子力発電所で燃料として利用する計画です。この構想は、日本にまだ原子力発電所がなかった1956年に原子力長期計画で掲げられ、それ以来約70年にわたり日本の原子力政策の中心に位置づけられてきました。

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現状と問題点

再処理工場の完成延期が27回

青森県六ケ所村にある日本原燃の再処理工場は、使用済み核燃料を化学処理し、ウランやプルトニウムを抽出する役割を担います。1993年に着工されましたが、貯蔵プールの水漏れなどのトラブルが相次ぎ、完成時期の延期を27回も繰り返しています。現在も操業開始の見通しは立っていません。

高速増殖原型炉もんじゅの廃炉

再処理工場と並ぶ政策の柱であった高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)は、2016年に廃炉が決定しました。もんじゅはプルトニウムにウランを混ぜたMOX燃料を燃やし、発電した以上のプルトニウムを生み出す「夢の原子炉」と期待されましたが、1995年のナトリウム漏れ事故で長期停止するなど、技術的な困難に直面しました。

使用済み核燃料の貯蔵状況

電気事業連合会によると、2026年3月末時点で全国の原発には約1万7千トンの使用済み核燃料が貯蔵されており、これは貯蔵可能容量の約8割に達しています。一方、再処理後に残る高レベル放射性廃棄物は、約10万年間地下深くに保管する必要があるものの、最終処分場の場所はまだ決まっていません。政府は北海道寿都町、神恵内村、佐賀県玄海町で文献調査を実施し、さらに東京都小笠原村の南鳥島でも調査を予定しています。

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