コメの民間輸入が急増している。2025年の輸入量は前年比で実に95倍の9万6834トンに達し、2000年以降で最多を記録した。これは年間需要量の約1.5%に相当する。
急増の背景に「令和の米騒動」
この急増の背景には、2024年夏に発生した「令和の米騒動」がある。スーパーの棚からコメが消え、供給不安が業界全体に広がった。国産米の価格が高騰する中、流通業者や外食産業は必要な在庫を確保するため、高関税を支払っても割安な輸入米の調達に動いた。
米国産が8割を占める
国・地域別に見ると、米国からの輸入が全体の約8割を占め、次いで台湾、ベトナム、タイと続く。例年はベトナムやタイが主な輸入先だが、2025年は米国産が急増した。特に、カリフォルニア産の「カルローズ米」を大手スーパーや外食・中食業者が取り扱い始める動きが相次いだ。
高い関税とミニマムアクセス制度
民間が輸入するコメには、1キロあたり341円という高額な関税が課されている。これは安価な輸入米の流入を防ぎ、国内のコメ農家を保護するための措置だ。一方で、政府は無関税の「ミニマムアクセス(MA)」制度を通じて年間約77万トンのコメを輸入しており、そのうち最大10万トンが主食用に回されている。
今後、コメの価格動向や在庫状況が注目される。輸入米の増加が国内市場にどのような影響を与えるか、引き続き注視が必要だ。



