証券口座乗っ取り事件、会社経営の被告が起訴内容を認める 初公判で「間違いありません」
証券口座乗っ取り事件、被告が起訴内容認める 初公判

証券口座乗っ取り事件で被告が起訴内容を全面的に認める

証券口座が乗っ取られ、株が勝手に売買された事件の一部に関与したとして、金融商品取引法違反(相場操縦)と不正アクセス禁止法違反の罪に問われた会社経営の林欣海(リンシンハイ)被告(38)の初公判が17日、東京地裁で開かれた。林被告は法廷で「間違いありません」と述べ、起訴内容を全面的に認めた。

巧妙な手口で株価操作を実施

起訴状によると、林被告は昨年3月に何者かと共謀し、他人名義の10口座に不正アクセスを実行。さらに、これらの乗っ取った口座と、自身が代表を務める「L&H」(川崎市)名義の口座を駆使して、東京証券取引所スタンダード市場に上場するある企業の株の売買を繰り返す不正取引を行ったとされる。

具体的な手口としては、大量の買い注文を出すことで株価を人為的に引き上げる操作が行われた。加えて、乗っ取った口座と「L&H」名義の口座の間で、同価格で同時期に売りと買いの注文を出す「なれ合い売買」を実施。これにより、高値で株式を売り抜けることに成功したという。

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急増する証券口座乗っ取り被害の実態

証券口座が何者かに乗っ取られ、株が勝手に売買される被害は、昨年春頃から急激に増加している。金融庁が把握している不正取引件数は、2025年3月に前月の27.5倍となる935件に達し、ピークとなった4月には3021件に膨れ上がった。

2025年の1年間を通じた不正取引件数は計9824件、不正取引額は約7405億円にのぼることが明らかになっている。この数字は、証券市場におけるサイバー犯罪の深刻化を如実に示している。

複数の犯罪グループ関与の可能性も

一連の被害を巡っては、昨年12月に林被告が初めて起訴された。しかし、捜査関係者によれば、背後にいる指示役の摘発には至っておらず、事件の全容解明にはまだ時間がかかりそうだ。

さらに、林被告が関与した事件は不正取引全体の一部に過ぎず、手口の差異などから複数の犯罪グループが関与している可能性が高いと見られている。捜査当局は、より組織的な犯罪ネットワークの存在を疑っており、継続的な調査を進めている状況だ。

今回の初公判は、証券口座乗っ取り事件の司法プロセスが本格的に動き出したことを意味する。今後の裁判の行方によっては、同種事件の防止策や法整備に影響を与える可能性もあり、市場関係者から注目が集まっている。

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