2026年10月の酒税改正を目前に、ビール業界に激震が走っている。ビールは減税される一方、発泡酒は増税。さらに、缶チューハイなどのRTD(レディー・トゥー・ドリンク)は税制上の優位を保ち、消費者の「ビール離れ」に拍車をかけている。そんな中、ホームセンター大手のカインズが138円という衝撃的な価格のプライベートブランド(PB)ビールを発売し、業界の常識を覆した。
酒税改正でビール業界が激変
今回の酒税改正は2020年10月、2023年10月に続く最終段階で、2026年10月1日からビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の税額が350ミリリットルあたり54.25円に統一される。これによりビールは9.1円の減税、発泡酒は7.26円の増税となる。第3のビールは2023年10月に発泡酒に統合され、すでにジャンルとしては消滅している。
中京地区の食品スーパーの酒類バイヤーは「増税される発泡酒の駆け込み需要が9月に発生すること以外は、予想がつかない。中東情勢や物価高が続けば、消費者はより税率の低い缶チューハイに流れ、ビール類はさらに縮小する可能性がある」と話す。
缶チューハイが発泡酒を超えた理由
ビール類の市場は1994年のピークから約半分に縮小。一方、RTDは発泡酒を抜いて成長を続けている。その背景には、酒税の格差がある。ビールとRTDの税額差は依然として大きく、価格重視の消費者はRTDに流れやすい。また、財務省の技術軽視も指摘されており、メーカーは低価格帯の新商品開発に注力せざるを得ない。
カインズの138円ビールの秘密
カインズが販売するPBビール「カインズ ビール」は、350ミリリットル缶で138円(税別)。通常のビールが200円以上する中で、破格の安さだ。その秘密は、卸業者を介さない直接販売と、徹底したコスト削減にある。カインズは自社ブランドで製造を委託し、物流コストを抑えることで低価格を実現した。これにより、ビールの価格破壊が進む可能性がある。
大手4社の生存競争
ビール各社は減税を追い風に、ビールのバリエーションを増やし、価格競争から品質競争へとシフトしようとしている。しかし、缶チューハイの勢いは衰えず、ビール離れは加速する一方だ。生き残りをかけた戦いは、価格、品質、マーケティングの全てで激化している。消費者の選択肢が広がる一方、業界再編の可能性も囁かれている。



