日銀が6月の金融政策決定会合で利上げに踏み切るとの観測が一段と強まっている。背景には、米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が長期化し、原油価格の高止まりが続くことで、物価が想定以上に上昇するとの懸念がある。植田和男総裁は次回会合前に共同通信きさらぎ会で講演する予定で、市場関係者はその発言内容に注目している。
前回会合でのタカ派姿勢
4月に開催された前回の金融政策決定会合では、政策委員3人が利上げを主張し、金利維持に反対した。特に、これまで金利据え置きに賛成していた増氏が利上げを主張したことで、市場は日銀内で「タカ派」が増えていると受け止めた。
物価指標の上昇
日銀が15日に発表した4月の国内企業物価指数は、前年同月比4.9%上昇となり、伸び率は3月の2.9%を大きく上回った。この上昇が直ちに消費者物価を押し上げるとは断定できないものの、石油製品の価格が上昇しており、中東情勢の混乱が長期化すれば、物価上昇リスクはさらに高まるとみられる。
円安と長期金利への影響
現状の政策金利は、日米の金利差を意識させており、円安要因となっている。利上げ観測の高まりは長期金利の上昇につながり、18日の国債市場では一時、約29年ぶりの高水準を記録した。
市場関係者は、植田総裁の講演で利上げの時期やペースに関するヒントが得られるかどうか、注目している。



