広島空港でJALが廃食油燃料を導入、CO2排出削減へ新たな一歩
日本航空(JAL)は、二酸化炭素(CO2)の排出削減を目指し、広島空港(広島県三原市)の作業車2台で、軽油に代えて高純度バイオディーゼル燃料の使用を開始しました。この燃料は、県内の家庭が揚げ物などで使用した植物油(廃食油)を精製したもので、地産地消の取り組みとして位置づけられています。JALによれば、この導入により、年間約4.7トンのCO2排出を抑制できる見込みです。
高純度バイオディーゼル燃料の特徴と製造プロセス
高純度バイオディーゼル燃料は、軽油を混ぜずに廃食油のみを使用する点が特徴です。原料となる植物は成長過程でCO2を取り込むため、燃料の燃焼による排出量は「ゼロ」とみなされます。この燃料は、廃食油リサイクルを手がける植田油脂(大阪府大東市)が、県内のスーパーを拠点に回収した油から、不純物を除去して再生したものです。
広島空港で使用される作業車は、乗客の手荷物などを入れたコンテナを牽引する「トーイングトラクター」で、燃料使用量は1か月あたり約150リットルと想定されています。JALは、CO2排出削減のため、空港の作業車の電動化を進めていますが、更新時期が20年と長く、新たな充電施設の設置も必要となることから、既存車両へのバイオディーゼル燃料導入で削減を加速させています。
地産地消のエネルギーと環境への貢献
JALの三枝智子・広島空港所長は、「県内で回収された廃食油が空港を支えるエネルギーになることは、地域との連携を深める象徴です。燃料の切り替えは小さな取り組みかもしれませんが、まずやってみることが大切だと考えています」と述べ、環境対策への意欲を示しました。
また、中東情勢の緊迫化により軽油価格が高騰する中、バイオディーゼル燃料は代替燃料としても期待されています。植田油脂の山根睦夫・営業部長は、「軽油より少し高い価格ですが、環境に配慮しているというメリットは大きく、原油価格の上昇とともに、バイオ燃料を使用する価値は高まると考えています」とコメントしました。
この取り組みは、航空業界における持続可能なエネルギー活用の一例として、今後も注目を集めそうです。JALは、引き続きCO2排出削減に向けた様々な施策を展開し、環境負荷の低減に努めていく方針です。



