成田空港C滑走路の供用開始、2029年目標から延期へ 用地交渉難航で1年以上の遅れ見通し
成田国際空港の新設滑走路の供用開始時期が、当初目標としていた2029年3月末から延期される見通しとなったことが、関係者への取材で明らかになった。用地取得が全体の9割弱まで進んでいるものの、残る土地の補償額を巡る交渉が難航しており、少なくとも1年以上の延期が避けられない状況だ。
用地取得9割弱で交渉が停滞 補償額折り合わず
関係者によると、新設されるC滑走路(全長3500メートル)の供用開始は、少なくとも1年以上遅れる見通しとなっている。現在、成田国際空港会社(NAA)の藤井直樹社長が、近く金子恭之国土交通大臣にこの状況を報告する予定だという。
NAAの資料によれば、2020年1月に計画が国から許可され、2025年5月から本格的な工事が開始された。計画では、既存のB滑走路(2500メートル)を1000メートル延伸し、新たにC滑走路を建設することで、空港の総面積は約2倍の2297ヘクタールに拡大。年間の発着枠も現在の34万回から50万回に増加する予定だった。総事業費は約6700億円を見込んでいる。
インバウンド需要拡大の中、計画変更の影響懸念
しかし、用地取得が順調に進まず、計画の遅延が避けられない状況となった。関係者は「9割弱の用地は確保できたが、残りの土地では補償額が折り合わないなど、交渉が難航している」と説明する。具体的な延期期間は未定だが、少なくとも1年以上は必要とみられ、今後の進捗次第ではさらに長期化する可能性もある。
この計画変更は、インバウンド(訪日客)を中心に航空需要が高まっている中で、多方面に影響を及ぼすと懸念されている。滑走路の拡張が遅れることで、航空機の発着容量が計画通りに増えず、需要増に対応できないリスクが生じる。これにより、国際競争力の低下や地域経済への波及効果の遅れが指摘されている。
成田空港は、日本の国際的なハブ空港として重要な役割を担っており、今回の延期が航空業界全体に与える影響は小さくない。関係当局は、早期の用地取得と工事再開に向けて、地権者との交渉を加速させる方針だが、難航する見通しが強まっている。



