航空事故調査で国際新基準が採択 利益相反時の対応を明確化
国際民間航空機関(ICAO、本部カナダ・モントリオール)は、航空機事故調査に関する国際基準の強化案を採択しました。この新基準は、発生現場の政府や軍などが加害当事者となる「利益相反」の場合の対応を明確に規定しています。政治的な理由で政府主導の原因調査が中断したり、不十分な内容になったりすることを防ぐことを目的としています。
背景と経緯
2020年1月、イランでウクライナ航空機がイラン革命防衛隊の誤射で撃墜され、カナダ人多数を含む176人が死亡する事故が発生しました。イランは2021年3月に事故報告書を公表しましたが、カナダ政府はその内容が不十分だと批判しました。これを受けて、ICAOは事故調査の基準見直しを議論してきました。
新基準では、「利益相反」が疑われる場合、事故調査を他国に委任したり、ICAOが直接関与したりすることを認めています。また、調査機関が必要な証拠にアクセスできることを明確にし、被害者や遺族への情報提供やコミュニケーションを促進する規定も盛り込まれました。
新基準の詳細と発効時期
この新基準は、2028年11月に発効する予定です。具体的な規定として、以下の点が強調されています。
- 利益相反時の対応:政府や軍が関与する場合、調査の独立性を確保するため、他国への委任やICAOの関与を認める。
- 証拠へのアクセス:調査機関が事故現場や関連資料に適切にアクセスできることを保証する。
- 情報提供の促進:被害者や遺族に対して、調査の進捗や結果を適切に伝えるコミュニケーションを促す。
これらの措置により、航空事故調査の透明性と信頼性が向上し、国際的な安全基準の強化が期待されています。ICAOは、この新基準が世界中の航空安全に貢献するとしています。



